斎藤裕の選手紹介 〜“令和の修斗伝承者” のすべて〜

「格闘技に夢を見せられた少年がやがてチャンピオンにまで上りつめる。」

格闘家、斎藤裕のストーリーは、この一文に集約されるだろう。ライバルの朝倉未来からは「斎藤は華がない」などの挑発もあったが、果たしてそうだろうか?

斎藤裕のストーリーを知れば、その実直な生き様を応援したくなるに違いない。

今回は、そんな“令和の修斗伝承者”斎藤裕を丸裸にしていこう。まずは、プロフィールからどうぞ。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

斎藤裕のプロフィール

名前     :斎藤裕
生年月日   :1987年10月8日
出身地    :秋田県熊代市
身長     :173cm
体重     :66.0kg
戦績     :29戦 20勝(5KO 2SUB) 7負 2分
階級     :フェザー級
所属     :パラエストラ小岩
獲得タイトル :第7代修斗環太平洋フェザー級王者・第10代修斗フェザー級王者・初代RIZINフェザー級王者
入場曲    :Dead End in Tokyo
バックボーン :伝統派空手・ブラジリアン柔術(茶帯)
公式HP     :ー
Twitter      :@yutakasaito1008
Instagram   :yutakasaito1008
YouTube.        : 斎藤裕
アパレル   :https://bulldog.thebase.in/
ファンクラブ :ー

今年で35歳となる斎藤裕。彼がどのような生い立ちで、現在に至るのか。まずは、斎藤の少年時代から見ていこう。

K-1に魅せられた少年時代から格闘技の道へ

野球少年から格闘技へ?

秋田県熊代市で生まれた斎藤。小中学校時代は、野球に打ち込んでいたという。

しかし、中学3年生で野球部を引退すると、やることが何も無くなってしまう。そこで、斎藤がテレビでたまたま目にしたのがK-1だ。その一戦こそ、2002年の「アーネスト・ホーストvs. ボブ・サップ」の試合。ボブ・サップが、「ミスターパーフェクト」の異名を持つアーネスト・ホーストをKOしたことに衝撃を受け、斎藤少年は、格闘技に引き込まれる。

次の日には、近所のレンタルショップに向かい、K-1とPRIDEのビデオを片っぱしから借りていったという。斎藤は、数々の試合を見ていくうちに、自分と同じくらいの体格ながら、修斗で戦う五味隆典の姿に憧れを抱き、いつしか自分でやってみたいと思うようになった。

熊代工業高校に進学した斎藤は、早速格闘技を始めるため、高校の伝統派空手部に入部。格闘家としては、やや遅めのスタートを切った斎藤だったが、格闘家への憧れを持ちながら、必死に練習しことだろう。

高校卒業後は、大学進学をきっかけに福島県へ引っ越し。福島のパラエストラ福島の門を叩き、本格的にMMAの練習をスタートさせる。斎藤は、慣れない柔術やグラップリングの練習を積み、月1ペースで寝技の大会に出場していった。

中学生の時たまたま見たK-1に夢をもらった斎藤は、このまま練習を積みどのようにプロ格闘家まで成長していくのだろうか?

修斗の世界で磨かれる「斎藤裕」

いたって普通のアマチュア時代

まず、修斗でプロになるためには、アマチュア修斗で好成績を収めなければならない。つまり、アマチュア修斗で活躍できなければ、プロにさえなれないという大変厳しい世界なのだ。

アマチュアからコツコツ実績を積んで行った斎藤は、2009年の「東北アマチュア修斗フレッシュトーナメント」や2010年の「埼玉アマチュア修斗オープントーナメント」で優勝し、活躍し始める。しかし、斎藤でも、大学在学中にプロ修斗に昇格することはできなかった。この頃の修斗は、アマチュアに選手が集中し、相当レベルが高かったと言われる。

大学卒業後は、就職を機に状況した斎藤。社会人となっても、プロになる夢を諦めなかった斎藤は、パラエストラ小岩を紹介してもらい、仕事と練習を両立した。

新しい環境で新生活を送りながら迎えた、2010年12月の関東アマチュア修斗選手権では惜しくも準優勝に終わり全日本選手権の出場枠を勝ち取ることはできなかった。しかし、斎藤のこれまでの実績が評価せれて、全日本への出場権を獲得。全日本選手権では準決勝で敗れ、3位となったものの、ようやくプロ修斗への昇格を果たした。

ここまでは、ずば抜けた成績を収めたわけでもなかった斎藤だが、大学生からめげずに努力を続け、5年の歳月を経てプロ格闘家となったのだ。この頃は、斎藤がいずれ日本のトップの団体でチャンピオンになるなど誰も想像していなかっただろう。

果たして、念願のプロ格闘家となった斎藤はいかなる戦いを見せてくれのだろうか?

いざ、プロシューターへ

プロとなった斎藤は2011年にプロデビューし、いきなり3連勝を飾る。

しかし、2012年のプロ4戦目の「新人王決定トーナメント」の準決勝でユータ&ロックと対戦するも、0-3で判定負け。プロ初の黒星を喫している。

実はこのユータ・ロック(現在、9勝無敗)という選手は、現RIZINフェザー級王者、牛久絢太郎にも勝利ている強者で、今後もRIZINに出場する可能性もある注目のファイターだ。

初の黒星をつけられた斎藤だったが、その後の活躍はどうなるのだろうか?

※画像URL:https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/peatix-files/event/1363918/cover-lXivVglsMEX2pokEkrFkMuXLzRggiA0c.jpeg(Peatixより引用)

黒星後の快進撃で修斗王者に!

初黒星をつけられた後の斎藤は、目に見張る活躍を見せる。

敗戦後、引き分けを挟んで6連勝と波に乗る斎藤は、修斗環太平洋王者をかけて、中村ジュニア(当時、9勝5敗)と対戦。中村にはアマチュア時代に敗れている斎藤。

リベンジ戦ともなったこの戦いに、斎藤は判定3-0で勝利し、リベンジを果たした!

続く 2016年1月の第10代修斗世界フェザー級王者決定戦でも、中村ジュニアと対戦した斎藤は、ここでも5ラウンド判定3-0で勝利を収め、修斗の世界フェザー級王者に輝いた。

戦績も12勝1敗2分と、敗戦から9連勝を飾った。この斎藤裕の勢いはどこまで続くのだろうか?

※画像URL:https://miruhon.net/www/wp-content/uploads/2016/01/160111Shuto-1.jpg(週刊ファイトmiruhon.netより引用)

初の連敗、斎藤裕に壁

修斗王者としてさらに勢いに乗る斎藤は、2016年9月に「VTJ」で元パンクラス ライト級王者のISAO(当時、18勝4敗)と対戦。この一戦は、修斗vs.パンクラスという団体を背負った戦いとなった。

試合は、大接戦となるもスプリット判定(1-2)で4年ぶりに敗戦した。ただ、勝ったISAOの顔面をパンチで腫れさせるなど、斎藤も評価を下げない試合となった。

※画像URL:https://images.merumo.ne.jp/005/081/303/5081303_normal_0.jpg(めるもより引用)

その後、レスリングエリートのマイク・グランディと対戦するも、その圧倒的なフィジカルの強さに押し込まれ敗戦。斎藤にとっては、初の連敗となってしまった。

これ以上の負けは阻止したい斎藤は、再び連勝していくことはできるのか?

レジェンド相手に壁を打ち破る!

2連敗となってしまった斎藤だったが、その後の2017年から2019年は、かつての修斗王者である宇野薫や、リオン武、DREAMでも活躍した高谷裕之などをやぶって、6勝1敗と調子を取り戻した。

そして、修斗王者として十分に価値を挙げた斎藤にいよいよ、日本最高峰の団体からオファーが届くことになる。

※画像URL:https://www.fujitv-view.jp/tachyon/2020/10/20201019_RIZIN.25%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B-7.jpg(フジテレビューより引用)

いよいよRIZINの舞台へ ー参戦後の光と影ー

衝撃のRIZINデビュー戦

2020年8月のRIZIN.23にてついに斎藤のRIZIN参戦が決定する。対戦相手は、日本人フェザー級最強の呼び声高かった“毛利のグラップラー”摩島一整だ。摩島は、アジアのRebel FC フェザー級王者で、当時14勝のうち12の一本勝利を誇る危険な相手。青木真也らのトップファイターも摩島の実力を認めている。

記者会見で、斎藤は「今回初参戦なんですが、とにかくインパクトを求められると思っています。いい勝ち方をして他の階級に負けないくらいフェザー級を盛り上げていきたいと思いますので応援よろしくお願いします」と力強くコメント。

試合は1ラウンドから摩島が積極的に仕掛けてグラウンドの展開に。斎藤は、摩島にテイクダウンを奪われるなど、あまり大きな見せ場をつくれずに2ラウンドへ。

2ラウンド、早々に摩島はタックルに入るも斎藤はこれを切って、躊躇なく修斗では禁止のサッカーボールキックを放つ! 明らかにダメージが見える摩島に、斎藤が顔面ヒザを連打し、すかさずレフェリーストップ。

記者会見での宣言通り、インパクトのある勝ち方でRIZINファンに衝撃を与えるデビュー戦となった。

試合を解説席で見ていた、RIZINのスター朝倉未来が「これがフェザー級1位の戦いですか。俺がやってやりましょうかね」と挑発気味にコメントするも、斎藤は「タイミングが合えばお願いします」と冷静な姿勢を崩さなかった。

華々しいRIZINデビューを飾った斎藤。次の相手はRIZINのトップファイター朝倉未来になるだろうか?

RIZNのエース 朝倉未来と初代フェザー級タイトルマッチ!

RIZIN参戦からわずか3ヶ月後に、斎藤の次戦が決定した。対戦相手は、RIZIN7連勝中で実力も人気も折り紙付きの朝倉未来(当時、13勝1敗)だ。しかもこの一戦は、RIZIN初代フェザー級王者を決めるタイトルマッチに。まだ、RIZIN2戦目の斎藤と、RIZINフェザー級を引っ張ってきた未来では、未来の勝利を予想する声が多く、「未来のためのタイトルマッチ」とも言われた。

試合前の記者会見で、未来は斎藤選手に対し「俺の相手じゃないかな。素直に」と挑発。斎藤は「このチャンスを逃さずに必ず勝ちたい」とコメントし、冷静ながらも熱い闘志をのぞかせた。

シナリオ通り未来がベルトを巻くのか? それとも斎藤が2戦目にして初代王座を奪取してしまうのか?

試合は1ラウンドからお互いに打撃戦を展開。斎藤がカウンターの左フックをヒットさせれば、未来も右フックを効かせ応戦。2ラウンドには、斎藤がニータップで未来からテイクダウンを奪う。斎藤は、その後も積極的にテイクダウンを仕掛けて試合をコントロール。3ラウンドも斎藤は、テイクダウンを奪って優位に試合を進める。最後の局面では、未来も左ストレートを当てて、斎藤は大きくよろめかされる。最後は、未来も果敢にタックルに行ったが、ここでゴングとなった。

結果は、判定3-0のフルマークで斎藤の判定勝利! 戦前の下馬評を覆し、見事RIZIN初代フェザー級王者となった。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

しかし、試合後の両者の表情は対照的だった。顔面を大きく腫らし口で息をする斎藤と、息も切れておらず余裕のある表情を見せる朝倉。斎藤は、この試合で鼻を骨折するなどの怪我を負い小さくない代償を払ったが、果敢にテイクダウンを狙いアグレッシブに攻める愚直な戦いぶりは、格闘ファンに大きな感動を与えた。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

試合後、斎藤は「朝倉選手強かったです、めちゃくちゃ。今までの中で一番強かったかもしれないです」と満身創痍のなか朝倉未来の強さを認めている。

そして、斎藤はこの日、中学生の頃に夢をもらったファイターたちとはじめて肩を並べることができたのであった。

初代RIZINフェザー級王者となった斎藤は、今後王者としてどのような戦いを見せてくれるのだろうか?

強豪外国人と王者の初陣

怪我から復帰した斎藤の王者としての初陣は、2021年6月のRIZIN東京ドーム大会に決定。対戦相手は、アゼルバイジャンの強豪ヴガール・ケラモフ。ケラモフは、当時15勝3敗で破竹の11連勝中というゲキ強のファイターだ。荒々しいファイトスタイルでKOと一本を量産している。

斎藤は、強豪外国人相手にどのような戦いを見せてくれるのだろうか?

試合は、1ラウンドからケラモフがタックルでテイクダウンを奪う。立ち上がる斎藤だったが、バッティングによって右瞼をカットしてしまう不運な展開に。その後もテイクダウンを取られるなど劣勢なまま1ラウンド終了。

2ラウンド目は、斎藤がテイクダウンを狙って、ケラモフにくみつく。この攻防で、ケラモフにロープとショーツを掴む反則が見られ、イエローカードが提示される。その後もテイクダウンを奪われた斎藤だったが、立ち上がり強烈なサッカーボールキックをケラモフにお見舞いし、見せ場をつくる。

最終ラウンドは、お互いに打撃を打ち込むが、ケラモフにテイクダウンを奪われる。その後斎藤の出血で試合が中断するが、再開後もケラモフにテイクダウンを取られ押し込まれる展開に。立ち上がって、打撃戦となったところでゴングとなった。試合は判定へ。

果たして勝敗の行方は?

判定は、2-1のスプリット判定で、斎藤の勝利!

これには、ファンの間でもケラモフの勝利と感じた人も多く物議を醸す判定となった。しかし、これには、ラウンドごとの10点法ではなく、ダメージ重視のトータルジャッジと、ケラモフのイエローカードによる「マイナス20%」が大きく影響した形に。

試合後の会見で、斎藤は、「展開的に厳しい試合でした。ケラモフ選手強かったですし」と振り返った。

この試合では、YouTubeのコメント欄で、ケラモフが計17回の反則をしていると指摘する猛者も現れるほど、ダーティーな試合となった。しかし、斎藤は最後まで集中力を切らず、5年間無敗の相手に土をつけて見せた。

この試合で、斎藤は王者として一皮剥けたと言えるだろう。

また、この試合の「RIZIN CONFESSIONS」では、アゼルバイジャン陣営に試合後の挨拶に向かった斎藤が、ムサエフやコーチ陣から詰め寄られ、「あなたは自分が勝ったと思いますか?」と質問されると、斎藤は「RIZINルールでは」と毅然とした対応を見せ話題に。斎藤の肝の座った一面が垣間見られた瞬間だった。

強豪との戦いもなんとか勝利した斎藤。試合後には、自らタイトルマッチを望むなど意欲的な姿勢を見せた。果たして、斎藤の次戦は誰とのタイトルマッチとなるのだろうか?

まさかの王座陥落!? 涙のドクターストップ

タイトルマッチの相手として、真っ先に名が上がったのは、“柔術界の鬼神”クレベル・コイケ(当時、28勝5敗)だ。2021年の大晦日にRIZINデビューすると、強豪相手に3連続一本勝利をあげ、あの朝倉未来からも劇的な一本勝利を収めている。

斎藤も、摩島一整、朝倉未来、ヴガール・ケラモフと「ひとりフェザー級トーナメント」と言われるほど、過酷な相手と戦ってきたが、いよいよラスボスと目されるクレベルとの戦いにファンからも期待が集まる。

しかし、クレベルとのタイトルマッチは、クレベル側の調整不足や怪我によってまさかの消滅。

斎藤は、記者会見で「やる気のない選手とか、あんまり興味ない」と言い放ち、10月のRIZIN.31で自らタイトルマッチを志願するという漢気を見せた。

その後、急転直下で初防衛戦の相手が決定。その名は、現DEEPフェザー級王者の牛久絢太郎(当時、17勝6敗)。牛久は、特段に秀でたものはないにせよ、無尽蔵のスタミナと攻め続ける泥臭さが持ち味のファイターだ。

会見前には、RIZIN LANDMARKで萩原京平に勝利した朝倉未来が、解説席にいた斎藤裕に対戦要求するなど、大晦日は「斎藤vs.朝倉2」がシナリオとして描かれていた。

RIZIN初戦の牛久は、「格闘家人生をかけてぶち壊しに行く」とシナリオ通りには行かせないと意気込む。斎藤も、「気絶するまで殴ろうと思ってる」と珍しく闘志を見せた。この大会は、斎藤が「I AM THE CHAMPION」と書かれたポスターを1人で飾り、RIZINの斎藤に対する大きな期待度も感じさせた。

斎藤圧倒的有利と言われたこの試合、斎藤は、この期待に応え新参者の挑戦者牛久を退けることができるのか? 今ゴングが鳴る。

1ラウンド。斎藤は前に出てプレッシャーをかけ、ボディストレートやフックを牛久に浴びせる。さらにヒザを出す斎藤だったが、牛久が左フックを合わせ、斎藤がスリップ気味にダウン。しかし、斎藤はすぐに牛久に組み付き、上を取る展開で1ラウンド終了。的確に打撃を当てた斎藤が優勢と見られた。

続く2ラウンド。牛久は左のミドルキックで斎藤のプレッシャーを止めようとするが、これが斎藤へのローブローに。試合は一時中断する。再開後は、斎藤が左右のフックをボディに入れるなど打撃で上回る。しかし、2ラウンドも残り30秒というところで、牛久の飛びヒザが、斎藤の顔面をドンピシャで捉える! 斎藤は、ダウンせず牛久に組みつき試合を続けるも、斎藤の出血が激しくドクターチェックに。斎藤は「出来るよ、出来る」と声を荒げるが、なんと無念のドクターストップ。

斎藤のTKO負けとなった。斎藤は、王座防衛に失敗しRIZINフェザー級王者から陥落した。ベルトは、RIZIN初参戦の牛久絢太郎のものに。

斎藤は、泣き崩れながらリングを後にした。その後も、「たった一発で…」と大粒の涙を流した斎藤。

斎藤のための大会で、自ら志願したタイトルマッチによって、王座を奪われた斎藤の悔しさは計り知れない。斎藤は、この悔しさをバネに再び王座に返り咲くことはできるのか?

朝倉未来との4ラウンド目ヘ

タイトルを失った斎藤の復帰戦の相手は、なんと朝倉未来。たびたび斉藤へのリベンジを口にしていた朝倉の挑戦を受ける形となった。これが斎藤裕、初の大晦日出場となる。

未来にとっては、去年のリベンジマッチとなり、斎藤にとっても元王者の復帰戦として負けられない戦いとなった。両者ともに、前戦から怪我を抱えており、万全のコンディションとは言えない状況での激突に。斎藤は、カットした箇所が思いのほか治るのが遅いという状況だった。

ただ、2人の405日ぶりの再戦にファンは大いに期待を寄せた。2人の4ラウンド目が始まると。

試合は、1ラウンド両者は距離をとって見合う展開。斎藤が前後にステップを踏みながら右のパンチで入ると未来も左フックを出す。斎藤がテイクダウンを狙ってくみつくも。展開がなくブレイク。斎藤のインローがローブローとなってしまい試合が一時中断。その後、斎藤がまた組みつきに行ったところで1ラウンド目終了。2人とも大きな差はつけられなかった。

続く2ラウンド。斎藤は得意のニータップからテイクダウンを狙うも、未来はすぐに立ち上がる。そして、左フックで仕掛けた斎藤に対し、未来の右ショートフックがカウンターで入り斎藤が大きくふらつき、会場も割れるように盛り上がる。出血しダメージの見られる斎藤は、未来の追撃を受けるもなんとかしのぎきり2ラウンドを終える。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

そして、最終ラウンド。未来はお返しと言わんばかりのニータップで斎藤からテイクダウン。しかし、コーナーを背にして立ち上がる斎藤。斎藤は、片足タックルに入るが未来にディフェンスされ寝かされる。未来が斎藤の顔へヒザを放ったところでゴングとなった。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

結果は、判定に委ねられた。斎藤は復帰戦を勝利で飾れるのか?

結果は、判定0-3のフルマークで判定負け、完敗だった。斎藤は、復帰戦を勝利で飾れず2連敗となった。

しかし、大晦日に行われた両雄の対決は会場を最も沸かせ、格闘ファンだけでなく日本中に熱狂と興奮を与える試合となった。

年明けの斎藤は誰と戦い、ベルトを再び手に入れることはできるのか?

王者牛久とダイレクトリマッチ実現へ

2連敗と後が無い斎藤に、2022年4月のRIZIN.35でタイトルを懸けたダイレクトリマッチが組まれた。相手は、もちろんタイトルを奪われた牛久絢太郎。2連敗の斎藤がタイトルマッチを行うことには物議を醸した。しかし、RIZINの榊原CEOは「僕らが斎藤選手にだいぶ無理をさせて10月の横浜でああいう結果なんで。(中略)タイトル戦としては斎藤裕のダイレクトリマッチが正しい筋」とコメントした。

記者会見で、斎藤は「自分のベルトを返してもらうという気持ちが強い」とタイトル奪還に闘志を燃やすと、牛久も「前回は『たまたま』っていう声がすごく多かったんですけれど、ちゃんと実力を次の試合で見せます」と意気込んだ。

1ラウンドは、互いに打撃を出し合いながら距離を取る展開に。牛久はスイッチを多用し、斎藤に的を絞らせない。2ラウンド目に入ると、斎藤がハイキックを放った直後、牛久は左ハイキックを斎藤の顔面に直撃させ、斎藤がダウン。牛久は、そこからギロチンチョークの大勢に入るも、斎藤はなんとか頭を抜く。牛久が斎藤を抱えたままの状態で2ラウンド終了となった。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

そして、運命の最終ラウンド。後が無い斎藤は、飛びヒザを何度も繰り出し一発KOを狙うが、牛久にはヒットしない。牛久も左フックをフルスイングルなどビッグヒットを狙うも、両者決め切れずゴングに。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

結果は、判定0-3で斎藤の判定負け。斎藤は、雪辱を晴らし、王座奪還とはならなかった。

※URL:https://jp.rizinff.com/(RIZIN公式HPより引用)

自身初の3連敗となった斎藤は、今後について「ゆっくり休みながら、相談して決めていきたい。すぐ次という状況ではないですね」と進退について明言しなかった。

RIZIN初参戦後、3連勝と波に乗って王座を戴冠した斎藤だったが、その後はまさかの3連敗で王座陥落。まさに、ジェットコースターのようなキャリアとなっている。

今後、斎藤は、また強くなって群雄割拠のフェザー級に戻ってくることはできるのか? 今後も彼の動向から目が離せない。

斎藤裕の知りたいトコ!

斎藤裕の彼女は? 女優〇〇の大ファン!

現在のところ、斎藤に彼女や妻がいるという情報はない。斎藤は、独身で一人暮らしの生活を送っているようである。

一方で、大人気女優、有村架純さんの大ファンなようでTwitterで有村架純への想いをツイートしている。

一見硬派に見える見える斎藤も、有村架純にはイチコロのようだ。今後、斎藤は有村架純に会うことはできるのだろうか!?

斎藤裕の愛車は?高級車?

元RIZIN王者である斎藤裕は、さぞかし高級車に乗っているのではないかと思われるだろう。

しかし、調べたところ斎藤は、車を持たず、基本的に自転車で移動しているようだ。自身のYouTubeチャンネルで新しいロードバイクを買う様子を投稿し、満足気に「僕の中のロールスロイス」と語っている。

チャンピオンになっても、欲に駆られず等身大での生活を続ける姿に斎藤らしさが感じられる。

斎藤裕は大のスイーツ好き!?

斎藤裕の大好物、それはスイーツだ。

なかでも、ルタオのチーズケーキが大好物らしく、切らずにそのままスプーンで豪快に口に運んでいる。斎藤は、ルタオを「心の栄養は100点満点」と語り、スイーツ好きな一面を見せている。

まとめ

ここまで、斎藤裕のストーリーを見てきたがいかがだっただろうか?

中学の時に格闘技から夢をもらった斎藤は、そこからコツコツと練習を欠かさず5年がけでプロ格闘家に。プロとなった後も、修斗の厳しい世界で鎬を削ってきた斎藤は、修斗のフェザー級王者にまで上りつめた。

新たなステージRIZINでも毎度血だらけになりながら戦い抜き、RIZIN初代チャンピオンに。しかし、RIZIN3連勝のあとは、3連敗と酸いも甘いも経験している。

この光と影が今後の斎藤裕にどのような影響を与えるのか。

今年で35歳となる斎藤が、今後どれだけの少年少女に夢を与えるような戦いを見せてくれるのか、王者の復活に期待せずにはいられない。

※アイキャッチはRIZINの公式HPより引用