UFC283 テイシェイラ vs. ヒル 速報

※試合速報は1月22日(日)正午12:00メインカードから

大会名:UFC 283 テイシェイラ vs. ヒル

開催日:2023年1月22日(日)(日本時間)
時間 :メイン12:00 / プレリム07:00(日本時間)
会場 :リオ・オリンピック・アリーナ ブラジル

視聴方法(タップで開く)
Youtube(無料、プレリムのみ)
UFC Fight Pass(有料)

試合順(タップで開く)
第1試合/シェイモン・オリベイラ vs. ダニエル・マルコス
第2試合/ルアン・ラセルダ vs. コーディ・スタマン
第3試合/ジョジアンヌ・ヌネス vs. ザラ・フェアン・ドス・サントス
第4試合/ワーレイ・アウベス vs. ニコラス・ダルビー
第5試合/テランス・マッキニー vs. イスマエル・ボンフィン
第6試合/シャミル・アブドゥラヒモフ vs. ジェイルトン・アルメイダ
第7試合/ムニール・ラジーズ vs. ガブリエル・ボンフィン
第8試合/チアゴ・モイゼス vs. メルキザエル・コスタ
第9試合/グレゴリー・ロドリゲス vs. ブルーノ・フェレイラ
第10試合/マウリシオ・ショーグン vs. イホール・ポティエリア
第11試合/ポール・クレイグ vs. ジョニー・ウォーカー
第12試合/ジェシカ・アンドラージ vs. ローレン・マーフィ
第13試合/ギルバート・バーンズ vs. ニール・マグニー
第14試合/デイブソン・フィゲイレード vs. ブランドン・モレノ
第15試合/グローバー・テイシェイラ vs. ジャマール・ヒル

試合速報

12:00開始

マウリシオ・ショーグン vs. イホール・ポティエリア

プレリム最終 / 第10試合 ライトヘビー級 3R5分

1R
サウスポーに構えるのはポティエリア。オーソドックスで左手を前に突き出すのはショーグン。遠い間合でローを指し合うが、ポティエリアのリーチの前にショーグンは基本的に待つ姿勢。2分経過、不用意にステップインしたポティエリアにショーグンの左フックがヒット。会場が沸く。

徐々にプレッシャーを強めるショーグン。ポティエリアはショーグンの圧を感じているだろうが、うまく対処している。2分30秒が過ぎたころ、ポティエリアのステップインに両者の体がぶつかり、ショーグンが転倒しそうになりながら後方へ下がる。ポティエリアは好機と見たか、すぐに追いかけショーグンを金網に押し込む。これを機にポティエリアがプレッシャーを強め始める。

ポティエリアはショーグンの攻撃を見切り始めたか、攻撃が当たらない。残り70秒、ショーグンが距離が詰めたところにポティエリアの前の手の右フックがショーグンの顔面をとらえる。ショーグンは足をふらつかせながらタックルへいくが、ここはポティエリアがしっかりディフェンス。立ち上がったショーグンに対しポティエリアはラッシュで詰める。ショーグンも対処に詰めるがポティエリアのラッシュのうちいくつかの左フックがショーグンの顔面をとらえると、ショーグンがダウン。さすがのハーブ・ディーンも試合をストップ。

1R4分5秒イホール・ポティエリアがレジェンド・ショーグンをKO。試合後はポティエリアがショーグンの前でひざまずき礼を尽くした。

ショーグンは大歓声のなか、地元ブラジルの観客へ挨拶。2005年、PRIDEのミドル級グランプリで優勝してから18年。華々しい選手生活に幕。

ポール・クレイグ vs. ジョニー・ウォーカー

第11 / メイン第2試合 ライトヘビー級 3R5分

1R
ゆったりと構えるのはジョニー・ウォーカー。ウォーカーがカーフキックを出すと会場が沸く。クレイグは攻めづらそうではあるが、ローキックや前足のミドルなどをけん制のように出している。1分経過、コンタクトは少ないが、ウォーカーが緩慢ながら非常に強いプレッシャーをかけている。残り3分に近づくとウォーカーがなぜか距離を取りリセット。

3分切ったころ、ウォーカーがぬるっと中に入ると、おもむろに右のフロントボディキック。これをクレイグがキャッチするとウォーカーはキャッチされながら右ストレート。狙っていたかのようにこの右がクリーンヒット。効きながらもシングルにしがみつくクレイグだが、ウォーカーはクレイグを地面に落とすとうずくまるクレイグに対し、ウォーカーは立ったまま内側から外に振りかぶるように鉄槌の連打。亀になるクレイグの側頭部に強く当たっており、クレイグは対処できない。レフェリーがストップ。

1R2分16秒、ジョニー・ウォーカー圧勝。地元ブラジルで大きな歓声。

ジェシカ・アンドラージ vs. ローレン・マーフィ

第12 / メイン第2試合 女子フライ級 3R5分

1R
身長差はあるものの、ストロー級からあげてきたアンドラージの体の厚みがすごい。ジャブやストレートで先に手が届くのはマーフィだが、プレッシャーをかけるのがアンドラージ。ブラジリアンらしい非常に強いロー。マーフィーのパンチにうまく合わせており、マーフィーの体が傾く。

マーフィーはローを被弾しつつもさらにパンチを出すが、ローで足の止まったあとのマーフィのパンチに対してアンドラージの合わせるパンチもまた強烈。この構図のまま時間がすすんでいく。

残り2分、打開策の欲しいマーフィはパンチのプレッシャーを餌にテイクダウン。タイミングが素晴らしくグラウンドに持ち込むことに成功したかと見えたが、アンドラージはすぐに立ち上がってしまう。マーフィもパワーの強い選手だが、アンドラージは怪力だ。

スタンディングではアンドラージがよりプレッシャーを強める展開に。パンチを見切ったか、ローを合わせるだけでなく左右のパンチを積極的に振っていく。ローも警戒しなければならないマーフィはこれに対応できず、かなりの被弾を許した。残り20秒でテイクダウンにいくマーフィ。これもよいタイミングだったが安定せず。

2R
アンドラージは挨拶のように強い左ミドル。かなりのびのびと戦えているように見える。ローの攻撃頻度が緩んだか、マーフィは果敢にパンチを出せるようにはなっている。アンドラージはローを合わせる展開に戻すこともできるが、それはせず。パンチを殴りにいく展開をそのまま進めるようだ。

時間経過とともにマーフィの消耗が激しくなっていく。鼻血を出し、顔は赤くなっている。KOは時間の問題か。残り2分半前に出て殴りに行くアンドラージ。マーフィは対応できずやはり殴られる。どうにか離れるが、アンドラージとしてはあとはこれを繰り返すだけの仕事になるだろう。

残りは1分、マーフィがレベルチェンジ。再三のテイクダウントライ。アンドラージはこれをつぶす。マーフィどうにか立つも、スタンディングでの展開の状況は変わらず。残り10秒、インターバルでの回復を前にアンドラージが力強いラッシュ。マーフィにダメージを与えた。

3R
さて、一方的な試合だが、マーフィどうする。今度は開始間もなくタックルにいくがアンドラージはものともせず。アンドラージは左ボディジャブのフェイトから左フックからラッシュへいくなど、相手を翻弄する余裕がある。アンドラージはハイキックまで見せる。

マーフィ、ジャブが突き刺さってはいるが主導権をじっくり握る時間もない。レベルチェンジが効果的には見えているはずなのでフェイントをこれを使いたいが、アンドラージのプレッシャーが強すぎるか。

残り3分でアンドラージがテイクダウン。流れの中でできそうだったからしたのだろう、しかしグラウンドの上手なマーフィも悪くない展開。ボトムからアームロックをセットしようとしていたのがマーフィ。アンドラージは自らテイクダウンしたもののうまくない展開とみたか、エスケープ。

残り2分30秒、アンドラージはKOへ向けて試合を運ぶ。女子離れした強力なフックで前に出るが、マーフィ死力を尽くすように両腕を振り応戦。素晴らしい闘志でどうにかアンドラージの攻勢を押し返しているマーフィ。それでも結果を覆すのはハードルが高すぎるか。残り10秒、前に出るアンドラージに対し両手を果敢に出しあきらめないマーフィ。アンドラージのラッシュに近い打ち合いで試合は終了。

判定3-0でジェシカ・アンドラージの完勝。ロバート・ウィテカーやギルバート・バーンズ、ダン・フッカーしかり、階級をあげてパフォーマンスを改善する選手は多いが、フライ級のアンドラージが強さを見せつけた。

ギルバート・バーンズ vs. ニール・マグニー

第13 / メイン第3試合 ウェルター級 3R5分

1R
身長差のある両者。前傾でリーチのプレッシャーをかけるのがマグニー。前に突き出した左手のハンドスラップから対角線の右ローでけん制するマグニー。バーンズは前傾になるマグニーの長い前足へ、ステップインからカーフキックを出す。

両者手数の少ない静かな展開。残り3分30秒、バーンズがジャブのダブルで中に入りテイクダウン。強打のプレッシャーがあるからこそクリンチはスムーズ。腰の軽いマグニーを難なくスラムする。マグニーの柔術はいいものがあるが、そこは柔術世界王者のバーンズ、エスケープを狙うマグニーの動きに合わせて、みるみるうちにポジションを奪っていく。

残り1分、ハーフサイドから教科書のようなパスガード。マウント移行し、まもなく肩固めをセット。バーンズの体の方向には金網が詰まっており窮屈に見えたが、長身のマグニーがリバースできぬよう片足をマグニーのガードに残したまま締め上げる。たまらずマグニーがタップアウト。

打撃を見切る → 中に入る → テイクダウンする → パスガードする → サブミッションをセットする → 極める

1R4分15秒で一本。誰もが “これをすれば絶対に勝てる” という展開をいとも簡単に実現させてしまった。見事としか言えない、素晴らしい勝利。

デイブソン・フィゲイレード vs. ブランドン・モレノ

第14 / メイン第4試合 フライ級タイトルマッチ 5R5分

1R

かなり大胆に距離を詰めたのはフィゲイレード。虚をつく狙いか、ずいぶん近い間合で強いプレッシャーをかけている。しかしファーストコンタクトでモレノがテイクダウンを選択。これが成功。驚愕。

フィゲイレードはボトムからチョークをセットしているが、首をそっているモレノには決まらないだろう。1分ほど膠着して外すもフィゲイレードが立つ。会場から驚く声。

リセットでのスタンディングはモレノがプレッシャーをかける。速いパンチで入り、インサイドでは大き目のパンチ。フィゲイレードは落ち着いて待ってはいるが、手が出ない。またフィゲイレードのスウェーバックに対しモレノパンチがよく伸び、フィゲイレードはかわし切れていない。

残り1分強、フィゲイレードからテイクダウントライがあったが、モレノはディフェンス。反対に残り40秒でモレノが低いテイクダウンで片足を取る。片足を上に持ち上げモレノがテイクダウンを成功させる。素晴らしいタイミング。しかし安定する前にフィゲイレードがモレノの足を取りヒールホールド。極まりはせず。終了間際、フィゲイレードのグラウンドの蹴りがモレノに当たったか。1Rはモレノ。

2R

プレッシャーをかけるフィゲイレード、開始20秒でモレノが出したキックをキャッチしテイクダウン。今度はフィゲイレードがトップを取る。体制が整う前に強引かつ巧妙にポジションを奪った。しかしこれも長時間は安定せず、4分経過時点でモレノがエスケープ。

リセットでのスタンディングはフィゲイレードがプレッシャーをかける展開。モレノはややテイクダウンを狙いすぎか、手数の少ないモレノにフィゲイレードが強打を狙いやすそうにも見える。残り2分30秒、ハイキックをキャッチするモレノ、テイクダウンは安定せず。まもなくすぐにテイクダウンを仕掛けるモレノ、今度は成功したが、フィゲイレードが流れの中でトップを取る。しかしモレノはすぐに暴れてスクランブルへ、トップを奪い返すモレノ。しかしまたもやフィゲイレードが漏れの首を取っている。なんという試合。

チョークは先ほどよりかなりタイトだが、モレノは耐えながらじっくりと外す。残りの90秒ほどをもみ合いながらもモレノがトップキープ。しかし効果的に殴ることはできていない。残り15秒ほど、モレノが大きな肘のパウンドを狙うがかすったのみ。反対にフィゲイレードがボトムから肘を返していく。非常に微妙なラウンド。

3R

プレッシャーをかけるのはフィゲイレード、大きな右ボディ。モレノはガードを固め手を出さない。テイクダウンを狙い続けるかもしくは温存か、ポイントを犠牲にするのであれば体力で優位を取りたいところではあるが。

モレノのかなり大振りな右と左のフック。フィゲイレードは回避。焦っているようにも見えるが。しかし再度ステップインと同時にモレノの大きな左フック。これがクリーンヒット。テイクダウンがフェイントになっているか。

左フックを被弾したフィゲイレードは「目に入った」とストップを要求。しかしレフェリーはパンチと判断したか止めない。モレノもパンチが当たっていると知っているからか、すぐに詰めてラッシュ。もみ合うようにトップを取るモレノ。残りは3分以上たっぷり。右目がかなり腫れているフィゲイレード、流血もある。面を食らったかボトムからの対処が遅れているフィゲイレード、モレノのトップキープを許してしまっている。残り90秒ほどで足をばたつかせ激しく暴れるフィゲイレードだが、モレノは冷静に対処し再度トップに収まる。残り60秒。

フィゲイレードがボトムの状況を打開できない。残り30秒ではモレノパスガード。しっかり削るモレノにフィゲイレードは消耗させられたか。モレノRで終了。スローのリプレイでフィゲイレードの目にあたったのはやはりパンチ。

4R開始前、目のあかないフィゲイレード、腫れがかなり尋常ではないように見える。これは無理そうだとドクターが試合をストップ。息の詰まるような緊張感のある試合だったが突如の終了。モレノvsフィゲイレードの4回目の試合はブランドン・モレノが3R終了時点TKO勝利。暫定王者だったモレノは正規王者に。フィゲイレードは無念だろう。正直5Rまで見たかった試合。

5回目がありそうな結末ではあるが、試合後のマイクでフィゲイレードはモレノを称え、階級をあげることを宣言。今日のところは二人のペンタロジー(5部作)は期待できなさそうだ。

グローバー・テイシェイラ vs. ジャマール・ヒル

第15 / メイン第5試合 ライトヘビー級王座決定戦 5R5分

前正規王者イリー・プロハースカは負傷欠場で王座を返上。空位の王座をこの試合の両者が争う。

1R

開始早々タックルフェイントするテイシェイラ。WOWOWの解説陣が盛り上がる。フェイントだったかと思わせて、まもなくすぐにシングルレッグに行くテイシェイラ。これはテイクダウンにいくプランか。ヒルはジャブやローで様子を見るが、1分経過でテイシェイラが再度テイクダウントライ。ヒルはすべてテイクダウンを回避。

ヒルはカーフキックなども出しているが、テイクダウンディフェンスにまだ意識を割いているか、主導権を取り切れない様子。2分経過時点でヒルはサウスポーへスイッチ。左足のフロントキックなどを出す。いくつか蹴りを出すとオーソドックスへ。

テイシェイラはテイクダウンを一度やめ、速くはないが強くワイルドなパンチで攻めていく。ヒルは落ち着いて対処し、基本的には危なげがない。パンチをいくつか見るとヒルの打撃は勢いを増し始める。ジャブを突き刺し、右ストレートや右アッパーを打ち込むようにもなる。時折スイッチしてからの左足でのインローやスーパーマンパンチを見せながら、打撃でアウトファイト。クリンチではヒルが膝もうまく刺している。

テイシェイラはさらにテイクダウンを見せるがこれも簡単に防がれる。ラウンド残り時間が少なくなると、テイシェイラのステップインにヒルが右ストレートを合わせる。タイミングを読んできたか。ヒルのR。

2R
ジャブをつきながら距離を取り、ヒルがリズムをつかむ。テイシェイラはうるさいジャブをもらいつつも前に出て強引に展開を作りたいようだ。距離を詰めるテイシェイラにヒルは左足でテンカオ、突き放すときにヒルの手がアイポークしてしまったようだ。間もなく再開。

ヒルは、サウスポーから左のミドルやハイで組み立てる。この左ハイがテイシェイラにいい感じで当たっている。これが当たるとヒルは左のハイをいくつか出す。ガードの上からテイシェイラを効かせ、下がったテイシェイラへヒルはラッシュ。オーソドックスに戻し、左フックと右アッパーの連打。しかしうまく当たらず。

リセットでテイシェイラが攻勢に。ヒルが打ちつかれたと読んだか、かなり強いパンチでヒルに当てていく。ヒルは危険とみたか下がりはじめ立て直しを計る。

パンチが当たったテイシェイラは次のコンタクトでレベルチェンジを選択。素晴らしいタイミング。今度はしっかりテイクダウンを決め、バックにつく。会心のチャンス。テイシェイラはサクサクとポジションを奪い、肩固めをセット。しかしこれはどうにかヒルがエスケープ。

立ち上がりのリセット、ヒルは今度は自分の番だとばかりにパンチでポイントを奪い返しにくる。40歳を超えているテイシェイラはやや反応が悪く被弾。致命傷にはならないものの、劣勢へ。しかしヒルも攻めながらどうもやや打ち疲れ。ヒルの攻撃がやむとRの残りの30秒はテイシェイラが前に出る。ここもヒルのラウンドか。

3R
開始15秒でテイシェイラがテイクダウンへ。なかなかいい形で入ったものの、クラッチを組む前にヒルが股を開きディフェンス。

スダンディングバウトでテイシェイラは組み立てなおし。ジャブをもらうものの相手をしっかり見据え、テイシェイラは左を返していく。ヒルは前Rと同じくスイッチして左ハイ。テイシェイラはハイガードでがっちりと防御するものの一拍ののちにふらふらと下がり始めてしまう。また効いたか。

ヒルはここが好機と詰めながらパンチ。テイシェイラはパンチを受けながらグラウンドに背をつけてしまう。トップからパウンドを落とすヒル、テイシェイラはかなり被弾しており、流血。残り二分でヒルが離れ、テイシェイラが立ち上がる。

スタンディングでやはりテイシェイラは前に出る。素晴らしい精神力。ヒルはジャブでテイシェイラを突き放すが、テイシェイラは被弾しながら左右のパンチで中に入る。ヒルも窮地に陥るわけではないが、体力をテイシェイラに使わされているようだ。ヒルの打ち返しが大振りで疲れが見える。

テイシェイラは疲れるまでやるぞという腹積もりか、前進とパンチを続ける。テイシェイラもパンチは当ててはいるが、自身も被弾してしまう展開で3Rが終了。やはりヒルのラウンド。

4R
右眉を大きくカットしているテイシェイラ。ポイントを取られているため、強打もしくはテイクダウンで打開するしかない。インターバルでやや休んだかヒル、左ハイを狙えるサウスポーで距離を取る。前回までと同じような展開。残り1分強、テイシェイラはクリンチに成功するもテイクダウンにはいけず。

プレッシャーをかけるテイシェイラへヒルが大きな左ハイを二回。ガードするテイシェイラ、前回ほど効いてはいないだろうが大きな音が響きその威力を伝わる。テイシェイラは足を止めて前進する以上、左ハイを被弾するリスクと付き合い続けなければならないが、それでもうまくガードしながら前進。ヒルはパンチを混ぜながら左ハイをかなりの回数出している。テイシェイラは出血が大きくなり着実に消耗。

残り90秒、ヒルのパンチが当たったか下がるていh生ら。金網際でヒルが強いパンチでテイシェイラへ襲い掛かる。被弾しつつもぎりぎりで動きながらこのラッシュへ対処するテイシェイラだが、致命傷を回避するのがやっと。残り10秒を切ったあともヒルからテイシェイラへ大きなパンチ。ヒルのR。あとのないテイシェイラ。

5R
ドクターチェックの最中、テイシェイラがヒルのコーナーへ向かって「レッツゴーベイビー!」と叫ぶ。ハグで最終R開始。

テイシェイラは集中を切らしていないようだ。鋭い目つきでプレッシャーをかけ、おもむろにシングルレッグを取る。すぐにクラッチに切り替え、クリンチから渾身の力を振り絞るようにヒルをテイクダウン、成功。テイシェイラの地元ブラジルが沸く。テイシェイラのラストチャンスとなりそうだが、残り時間は4分以上たっぷり。じっくり組み立てられる。

ヒルは立ちさえすれば勝ちとばかりに暴れるが、テイシェイラは着実にパスガード。残り3分でテイシェイラはマウントトップを取る。会場大歓声。

しかしすかさずヒルがブリッジを使い、テイシェイラの股へもぐりこむとスクランブルからヒルがハーフガードトップを取ってしまう。千載一遇のチャンスを逃したテイシェイラ。残り90秒でヒルがパスガード、サイドトップへ。ボトムにいる限りテイシェイラがトップを取る可能性は残されていると思うが・・・

残り1分、可能性を摘むかのようにトップにいるヒルが立ち上がる。ヒルはやはり左ハイを出すも、あとはテイシェイラの前進に対しリスクを冒さない。サークリングでうまくアウトファイト。ヒルはきっちり判定勝利へとつきすすんだ。

判定は3-0でジャマール・ヒルの勝利。新王者が誕生。コールと同時にヒルが膝をつき泣き崩れる。今日まで苦しかったか、言葉が出ない。まもなく感謝と喜びを口にした。

43歳の挑戦者グローバー・テイシェイラはここで引退を表明。戦うエネルギーはもう残っていないとのこと。感謝と新王者へのエールを送ってグローブを置いた。

さて、負けずに王座を返上した前王者はイリー・プロハースカ。次期挑戦者はこのプロハースカ、もしくはプロハースカの怪我の状況によってはヤン・ブラホビッチになるだろう。プロハースカとブラホビッチのどちらもストライカーだけに、同じくストライカーであるヒルとの面白い試合が見られそうだ。日本のファンも注目する試合となるだろう。

※アイキャッチはUFC公式HPより