UFC Fight Night ストリックランド vs. イマボフ 速報

※アイキャッチはUFC公式HPより引用
※試合速報は1月15日(日)午前9時から行われるメインカードのみ

大会名:UFC Fight Night ストリックランド vs. イマボフ

開催日:2023年1月15日(日)(日本時間)
時間 :メイン09:00開場 / プレリム06:00開始(日本時間)
会場 :UFC APEX アリーナ

視聴方法
Youtube(プレリムのみ)
UFC Fight Pass
試合順
第1試合/ジミー・フリック vs. チャールズ・ジョンソン
第2試合/ダニエル・アルゲッタ vs. ニック・アギーレ
第3試合/アラン・ナシメント vs. カルロス・ヘルナンデス
第4試合/マテウシュ・レベッキ vs. ニック・フィオーレ
第5試合/アブドゥル・ラザク・アルハサン vs. クラウディオ・ヒベイロ
第6試合/ジャビッド・バシャラット vs. マテウス・メンドンサ
第7試合/ウマル・ヌルマゴメドフ vs. ラオー二・バルセロス
第8試合/ケトレン・ヴィエイラ vs. ラケル・ペニントン
第9試合/プナヘレ・ソリアーノ vs. ローマン・コピロフ
第10試合/ダン・イゲ vs. デイモン・ジャクソン
第11試合/ショーン・ストリックランド vs. ナッソーディン・イマボフ

試合速報

1月15日 09:00 開始

メイン第1試合 ウマル・ヌルマゴメドフ vs. ラオー二・バルセロス バンタム級 5分3R

1R

前蹴り、前足のハイでけん制するのはウマル。ウマルは時折スイッチ。ウマルが左構えになると、バルセロスは非常に速い右でステップイン。ひやりとするシーン。バルセロスが様子見が多く、ウマルの方が蹴り技を中心に相手に触っている。

90秒経過時点で、バルセロスがプレッシャーを強める。ケージが近い方がウマル。バルセロスがもう少し距離をつめたらウマルのレスリングが待っているだろう。しかしバルセロスもレスラーでそちらは織り込み済みと予想。残り2分強、左右のフックで前に出ていくのはバルセロス、思い切りのいい振りでブラジリアンらしい。ウマルの打撃もよくうまく距離を取ってアッパーなどのカウンターを返していく。

距離をじりじりと縮めてバルセロスが攻撃に転じる姿勢だが、ウマルもチャンスが増える。ボクシングのやり取りが増えてきた。ワイルドな打撃はバルセロスだが、ウマルの方が安定しているようにも見える。

サウスポーに構えたウマル、打撃の交換で左の膝を出す。これを回避したバルセロスだがガードが下がった。間髪いれず左フックをウマルが放つとバルセロスがまともに被弾。仰向けに倒れるとウマルはすかさずパウンドで追撃。追撃を止めるようにレフェリーがストップ。ダウンの時点で失神していただろう。

ウマルの1R4分40秒KO勝利。マカチェフやキャリア後期のハビブもそうだが、ヌルマゴメドフのチームのここ数年の成長が素晴らしい。当然レスリングでも戦えただろうが、ウマルが打撃力を証明した。

第2試合ケトレン・ヴィエイラ vs. ラケル・ペニントン 女子バンタム級 5分3R

1R
前に出てパンチを振っているこのはヴィエイラ。ペニントンは下がりながらローやボディジャブ出し、距離が近づいたらパンチで応戦。じりじり前に出るヴィエイラに対し、ペニントンは時折一気に飛び込んでパンチを繰り出す。しかしステップインの速度が足らずヴィエイラはバックステップで十分回避できている。

残り2分30秒。ペニントンがどうも打撃が届かないといった展開。ヴィエイラはプレッシャーを弱め、ペニントンを待っているが、十分優勢を維持できそうだ。残り90秒、ペニントンの額の上部から出血。ヴィエイラは入ってきたところをパンチで応戦し、遠い間合では前足のローで触りに行く。ペニントンは攻めにバリエーションが必要そうだ。

残り20秒、ペニントンがクリンチにいく。終了間際でのテイクダウントライは教科書通りだが、ひとまずといったところだろうか、2Rへの布石としての効果は薄そうではある。

2R

張りきったように速いパンチをまとめていくのはヴィエイラ。2R目のポイントを取るぞという気概か。ペニントンはヴィエイラの長いリーチと回転の速いパンチにやや手を焼いている。1分経過、かなりいいタイミングで素早くステップインしたペニントンが素晴らしいワンツー。右のほうがヴィエイラの顔面をきれいにとらえる。好機と見たか、ペニントンは得意のグラップリングを仕掛けんとクリンチ。一分ほどケージ際でペニントンがヴィエイラをホールドしたが、腰がつよくテイクダウンは難しそうだ。

ブレイク後の打撃戦はなかなか拮抗しているように見える。この打撃戦の展開であればペニントンがひとまずクリンチまではいけるだろう。ペニントンがクリンチから出したニーがヴィエイラのへその右下あたりに突き刺さるが、ローブローをアピールし試合はつかのまストップ。

再開後もペニントンがうまく打撃戦のよい流れを継続できている。クリンチの展開が増え、ペニントンはクリンチニーを出す。ヴィエイラはケージにペニントンを押し込みコントロールしようとするが、ペニントンの膝がかなり機能している。

残り数秒、ヴィエイラが立ったままペニントンのバックについた。このRは非常に微妙だが、編集部としてはどちらかというとペニントンを支持したいラウンド。

3R

ハグから開始。ローの蹴り合い。両者「最終ラウンドを取った方が勝つ」という算段か、かなりはげしく出力している。ヴィエイラのパンチが先に届くが、やはりペニントンが1Rと違いどうにか打撃で応戦できている。打撃では優劣がつかんとばかりにクリンチへ。ヴィエイラがペニントンを金網に張り付けるが、ペニントンがタイクリンチをセットし膝を準備すると、危険を察したヴィエイラがすぐにペニントンから離れる。

好機とみたか、ブレイク後に素早くステップインを詰めてワンツーを出していくペニントン。このワンツーが非常によい。ヴィエイラが体制を整える前にいくつかのワンツーで攻撃すると、クリンチを仕掛けて膝を当てていこうとするペニントン。うまい戦略だが、ヴィエイラはクリンチ戦で余力がある。やはりケージ際を背負ってしまうのはペニントン、ヴィエイラが膂力が強い。

残り1分を切るとクリンチからうまくバックについたヴィエイラ。ペニントンは肩越しに背中につくヴィエイラにパンチを当てながら、バックにつかれたポジションを変えようと暴れる。ヴィエイラは逃がさないが、組み付いているだけで打撃は出せていない。このラウンドも非常に微妙。編集部としては試合展開を動かしたペニントンを評価したいが、30-27でヴィエイラもありえる。さて判定は。

2-1のスプリットでラケル・ペニントンの勝利。1Rは展開を打開するのが難しいと思われたが、ペニントンは毎回ハートと戦術で綱渡りのように試合を動かしてきた選手。今回もそのあきらめない気持ちが勝利に手をかけさせたようだ。

メイン第3試合 プナヘレ・ソリアーノ vs. ローマン・コピロフ ミドル級 5分3R

1R

ともにサウスポー。大きなオーバーハンドを出していくのはソリアーノ。その次はテイクダウントライ。柔術家らしい王道の仕掛け。コピロフはどちらもうまく回避して打撃からやろうという姿勢。コピロフは左対左で有効な右のジャブをしっかりつかっていく。加えて前足のロー。ソリアーノは自分より明らかにボクシングテクニックの上回っているコピロフのパンチをどうにかだがうまくブロッキングし、自身はラフな左右のパンチで応戦。ボクシング戦に付き合わない姿勢は正解だろう。しかし、この打撃戦のギャップは厳しそうで、どこかでテイクダウンにいきたい。

コピロフのジャブが当たると非常に鋭くコンパクトな左ストレートも見せる。これがソリアーノのガードの隙間を縫って好き刺さっている。突破口のなくなってきたソリアーノ、テイクダウンにつながる仕掛けや崩しが欲しいところだが、残り30秒でテイクダウンにいくのはコピロフ。すぐに立つも、残りの15秒もいい形でパンチを打たれている。これはソリアーノが厳しい展開。それほどコピロフが打撃も組み立てもすばらしい。

2R

温まる前にラフな展開に持ち込みたいかソリアーノが前に出る。しかしコピロフはバックステップを入れながら前足の右ミドルで前進を止める。ソリアーノの前進が弱まるとまた槍のようなジャブを突き刺す。

ソリアーノは失速しはじめるものの、劣勢を気にしていられないか思い切ってパンチを振っていく。速く鋭く余力もあるが、対処のよいコピロフには当たらない。

顔を結構殴っているコピロフ、今度はボディを攻める。強烈なバックスピンキックをボディに放ちソリアーノの脇腹に突き刺さる。パンチをまとめるときも強いボディを混ぜ始めた。ソリアーノは明らかに苦しそうだが、精神力で前進している。

残り二分を切ったあと、コピロフがソリアーノの右わき腹へ強い左のミドル。ソリアーノは「アッ」と苦しそうな声を漏らすと、ケージに下がり亀へ。パンチをまとめたコピロフをレフェリーが制止した。

2R3分19秒でコピロフのTKO勝利となった。コピロフ素晴らしいテクニック見せつけての会心の勝利。強いのは間違いないのだが、このコピロフがUFCでは2連敗でスタートしている。2連勝でUFC勝敗をイーブンに戻したが、改めてUFCがとんでもない舞台だと思い知らされることにもなった。

メイン第4試合 ダン・イゲ vs. デイモン・ジャクソン フェザー級 5分3R

1R

前足のハイ、右ストレートで入っていったのはジャクソン。よい入り方だったが、イゲのクリンチパンチでカクンと腰が落ちる。ひやりとするシーン。ジャクソン、危険を察知したか遠い間合から組み立てなおし。虚を突くように乱暴に入ることはできない。打撃ではイゲだろう、ジャクソンの打撃にしっかり対処しながらプレッシャーをかける。ジャクソン金網に近い位置を動かされている。

イゲのステップインも打撃も速く、威力もある。ジャクソンは立って戦っていると危険が増していくばかりだが、ハイガードをきっちり崩さない。どこかでテイクダウンにいきたいところ。残り3分を切ったところでジャクソンがシングルレッグでテイクダウントライをするが、イゲはしっかりディフェンス。イゲがクリンチでパンチを打ち、平手でジャクソンを突き放すときにジャクソンの左目にイゲの手がアイポークしてしまったよう。グローブがはいったのだろうか、出血している。

2分のドクターチェックののち再開。残り時間は2分。

イゲは逃がさんとばかりにすぐに距離を詰めるが、ジャクソンもワイルドなアッパーで応戦。ジャクソンはパンチをもらいたくないか、かなり大きめにサークリング。イゲが追ってきてやや雑になったところうまくパンチを着弾させるジャクソン。リーチを活かしたよい選択に見える。イゲは追いつけない場面が増えてきたか。

残り50秒、コンタクトは減ったもののイゲがよいタイミングでジャクソンに入る。ジャクソンもうまく対処し空振りさせているが、ほぼクリンチの距離でのイゲのパンチが強くジャクソンが被弾してしまう。

残り10秒を切るとイゲがテイクダウン。グラップラーであるジャクソンに対してノーリスクできっちり優勢を示し1Rのポイントをゲットしたか。教科書通りの選択。

2R

距離を詰めんとするイゲに対し、やや攻勢に出ているジャクソン。右のかぶせるような打ち下ろしを選択。機能はしているが、イゲが慣れるまでの賞味期限は短いはず。イゲが入ってきたところも、努めてガードを姿勢を保ちながら綺麗なアッパーとフックを放つジャクソン。うまく戦えており、イゲの有効打が減っている。しかしプレッシャーをかけているのはイゲ、ジャクソンはイゲを対処させないだけの引き出しを多く用意できるか。

残り2分30秒、イゲの有効打が微増。ステップインから大き目のフックをボディに振りローも混ぜている。イゲが左右にステップを踏み始め、追わされる展開を打開。残り90秒、両者の距離が遠くなってジャクソンが一方的に劣勢になったわけではない。

残り1分を切ったころか、ジャクソンがフックとアッパーで入ってきたところを、イゲが右ボディから左フックのコンボ。この左フックがジャクソンのアッパーに重なり、ジャクソンにヒット。バチンとなる音とともにジャクソンが腰から崩れ落ちれ仰向けに。追撃をする前にイゲがきびすを返すとレフェリーも同意するように試合を止めた。

2R4分13秒、三連敗で崖っぷちに立たされたイゲ、会心のKO再起。曲者ジャクソンに勝利した。ジャクソンもうまく戦っていたが、距離と先手を取らされたところでタイミングを盗まれたようだ。

メイン第5試合 ショーン・ストリックランド vs. ナッソーディン・イマボフ ミドル級 5分5R

1R

いつものようにL字ガードからジャブを突き刺しながらプレッシャーをかけるストリックランド。ストレートも見せるが非常に速く調子がよさそうに見えるストリックランド。対するイマボフは左右に動きながら小さなエイペックスアリーナをたくさん使う間合どり。じりじりと近づくストリックランドに対して射程圏内では早く強い右ストレートで応戦。この右はジャブにかぶせるような軌道でストリックランドのジャブに対しての武器選択か。

じりじりと距離を詰めていたストリックランドだったが、残り2分30秒になるとステップインを出し始める。ジャブではなく大きな右や強い左フックを振りながら攻勢に出ているようだ。下がるイマボフの左頬にストリックランドの長い手が届いているようだ。イマボフがインサイドにダッキングしてもストレリックランドは小さく強いアッパーでしっかり近距離戦。イマボフがやや困っているままRが終了。ストリックランドはライトヘビーでの代打出場だが、このペースで5Rもつだろうか。

2R

1R開始時の焼き直しのような立ち上がり。じりじりと距離を詰め得意のジャブを突き刺すストリックランド。イマボフが右を用意したのを察知するとさっとバックステップで距離を外すストリックランド。残り4分で初めてのクリンチ。金網へ押し込んでいる方がストリックランド、しかしイマボフ30秒ほど耐えてさっと離れる。

ストリックランドがしっかり届くようにパンチを出している。イマボフは平常ペースに見えるが、ストリックランドの呼吸がやや粗く顔も紅潮、ややガスの消耗が見えてきただろうか。残り2分30秒ほどでストリックランドがテイクダウントライ、成功したらリターンは大きいがややギャンブルに見える。これはイマボフがしっかり対処しテイクダウンを回避。

打撃戦は相変わらずストリックランドがうまくディフェンスしているが、パンチの精度が落ちているか。それでも互角程度の打撃戦。イマボフの動きが相対的によくなっているように見える。

残り30秒、イマボフの右のパンチが当たり始める。パチンと大きな音が鳴っているが、ストリックランドは効いているそぶりはない。しかし当然だがこのままもらい続けるわけにはいかない。逃げるようにテイクダウントライに行くストリックランドだが成功せず。R終了後コーナーへ戻る足取りもやや重そうだ。さあ残りのカードは少ないが、どのように戦うかストリックランド。

3R

プレッシャーをかけるのはイマボフ。ストリックランドはジャブやワンツーで押し返すが、ガスを使わされてるという印象。対するイマボフは右アッパーから左フックなどの鋭いコンビネーション。3Rで打撃速度に違い。

残り3分30秒。イマボフも消耗していないわけでもなさそうだ。ストリックランドがやや息を整えなおしてきたか、ガス残量の格差はピークを過ぎたようだ。イマボフの打撃も鋭くはあるが、やや精度が落ちている。その分ストリックランドが省エネなまま対処できているようだ。とはいえ甲乙は非常につけがたい展開。

ストリックランドがジャブや前足の蹴りを差しながら、イマボフは速いパンチであてに行くという具合。イマボフもひとまず当たる前蹴りを出してはいる。距離は両者非常に近いが、テイクダウンにはいかない様子。近距離ではお互い上体を大きく傾けるため攻撃が当たらないやや雑な展開。R終了。ストリックランドがよかったわけではないが、イマボフが1R同様また困りだしている。このラウンドはストリックランドにつけたい。

4R

ボクサーらしくローの苦手なストリックランドへ、イマボフのロー。もっと放ってもよさそうなのだが、右の強振を見ているので乱用はできないか。両者足取りが重くほぼ足を止めながらじりじりと動く。射程圏内にはほぼ同時に到達するが、ここでの打撃戦で優勢なのはストリックランド、ボクシングテクニックがストリックランドに優勢をもたらしている。

残り三分ほど、ストリックランドのホーミングするような右が当たる。その後効いたと見たか、ストリックランドがテイクダウンをトライすると崩れるように両者グラウンドに行くが、どうにか立ち上がるイマボフ。ガスをうまく活かしきれなかったイマボフ、出力が同レベルだとストリックランドの優勢が動かない。同じことを繰り返してしっかり優勢を堅持するのが得意なのはストリックランドの強いところ。これは崩しづらいかイマボフ。4R終了、金網に両手をかけて疲れた様子のイマボフ。

5R

ストリックランドの左にイマボフを負けじと左ジャブを打ち返していく。イマボフが心を決めたように前進している。コーナーでの消耗っぷりが嘘のように強く鋭いパンチを打っているイマボフ。判定負けと読んでいるか。ストリックランドは激しく動くでもなく、マイペースに対処。最悪被弾してもKOはされないだろうという計算がありそうだ。

イマボフが激しく動き展開を作ろうとするが、ストリックランドはどうにかクリンチをしてしのぐ。ジャブやフックや右ストレートを出すが精度が悪い。打ち終わりを狙われないようにクリンチで攻撃機会と時間を奪うのはよい仕事。

イマボフ動きが衰えない。出し切るつもりだろう。残り1分でテイクダウンもトライするがストリックランドがどうにか回避。息の上がっているストリックランドに対しイマボフがパンチを懸命に当てに行く。頭を下げるストリックランドに膝も返すが、ストリックランドはのらくらとどうにか回避。残り1分になるとストリックランドはどうにか出力。乱雑だがとにかくパンチを振るって攻めの時間を作って試合終了までたどり着いた。少なくとも三つのラウンドはストリックランドが取っているはずだが、判定はいかに。

49-46, 49-46, 48-47でストリックランドの勝利。ショートノーティスで素晴らしい仕事を見せた。