スダリオ剛の選手紹介 〜ヘビー級ファイター“元・貴ノ富士”のすべて〜

これまで日本人が誰一人到達できなかった「世界ヘビー級チャンピオン」という巨大な壁。その巨大な壁に立ち向かおうという一人の青年”スダリオ剛”。大相撲で鍛えた強靭な腰と圧倒的なパワー。そしてそれに驕らず、世界への挑戦に向けて、一から打撃やグラウンドのテクニックを磨き上げてきた。

RIZINデビュー時はヒール的な存在だったスダリオも、着実に成長していく姿を見せ続け、実績を積み上げ、今や日本のヘビー級でスダリオの右に出るものは居ないと言われる程までに大きな存在となっている。

彼がどのようなきっかけで大相撲に入り、総合格闘家へ転身し、ここまでの強さを身に着けていったのか、今回は”元貴ノ富士”スダリオ剛を丸裸にしていこう。

画像1: 入場

※画像URL:ttps://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2021/03/21/b1d9425e44895083d486c82e358ac5aa77f56245_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

スダリオ剛のプロフィール

名前 : スダリオ剛
生年月日 : 1997年5月13日
出身地 :  栃木県
身長 : 193cm
体重 : 115Kg
戦績 : 6勝2敗(5KO)
階級 : ヘビー級
所属 : PUREBRED⇒フリー
獲得タイトル : ー
入場曲 :   フローライダー「My house」
バックボーン : 相撲
公式 HP :   ー
Twitter : @TSUYOSHIKAMIYA3
Instagram : Tsuyoshi Sudario スダリオ剛
Youtube    スダリオ剛
アパレル    ー
ファンクラブ  ー

スダリオ剛がどのようなきっかけで相撲時代を経て、RIZINで活躍するまでに至ったのか、まずは彼の少年時代から見ていこう。

大相撲から格闘家へ

1997年5月13日、栃木県小山市でフィリピン人の母親と日本人の父親の間で一卵性双生児の兄としてスダリオは生まれ、茨城県で少年時代を過ごした。小学校時代はサッカー、中学時代はバスケと、元々運動が好きで、バスケでは茨城県選抜に選ばれ、全国大会で3位になるほど実力の持ち主だったという。

さらに中学3年の時に父親の勧めで体験入門を経験したのがきっかけで2013年に貴乃花部屋に兄弟揃って入門し、同年3月場所、貴公俊という四股名を頂戴し、初土俵を踏んだ。

2017年3月には弟・貴源治が、2018年には貴公俊が十両昇進し、彼の相撲人生は順風満帆かに見えた。

岐路に立たされた貴ノ富士

だがその後、弟弟子への暴力事件が明るみになり、千賀ノ浦部屋に移籍、四股名を貴ノ富士 三造に改名する。

しかしその翌年、再び暴力事件が発覚。コンプライアンス協会から『自主引退を促す決議』が下されるも、貴ノ富士は自宅マンションに引き込もり一切応答をしなくなってしまう。その後は代理人と協会の間でやりとりが行われていたが、このやり取りにも疲れ、ついに貴ノ富士は引退を決める。

将来の希望も目標もなくなり、多くの国民から批判が集中し、一時は自殺まで考えたそうだ。だがそんなスダリオも周りは敵ばかりでは無い。まだ結婚前だった現在の妻からプロポーズされて自殺を思いとどまり、さらに妻からの「格闘技、続けたいの?」との問いかけにスダリオが「いいの?」と返すと「やりたいんだったらやっていいよ」「支えるから」と妻はスダリオの背中を押した。

これがきっかけで再びスダリオの心に炎が灯り、総合格闘家への道を目指すことに。KONISHIKIとの縁で初代修斗ヘビー級チャンピオン、エンセン井上の元に弟子入りをし、総合格闘家 ”スダリオ剛” としての新たなスタートを決意する。

そんなスダリオが選んだ第二の格闘人生の舞台はRIZIN。そしてこの舞台をスタートに、UFCの王者を目指すという大きな目標を掲げた。

RIZINでの快進撃

2020年9月27日、RIZIN.24、スダリオ総合格闘技デビューの日。

迎えるはニュージーランドのヘビー級プロレスラー、ディラン・ジェイムス。

掲げた目標が大きいだけに、このデビュー戦は負けられない。

スダリオのRIZINの舞台で初めての攻撃は、ゴングと同時に放った飛び膝蹴りだった。これが開戦の合図と言わんばかりに打ち合う両者。元々スポーツエリートであるスダリオは打撃も完全にモノにしている。ディランは打ち合いよりグラウンド勝負を選び、タックルに出る。だが、相撲でとことん鍛えられた腰を持つスダリオはそれをものともしない。

その後スタンディングでの戦いに戻ると、ディランのジャブに合わせてスダリオのショットガンの様な速く重い右カウンターがディランの顔面を捉える。

やはり打ち合いは危険と判断し、アンディは再びタックルに出るが、スダリオはやはりビクともせず、それどころかタックルにきたディランの頭部を抱え、執拗に膝蹴りを繰り出す。ディランはスダリオの膝の破壊力に危機感を感じ、頭部を守るのが精一杯で、まったく攻勢に出る事が出来ない。

さらにラウンド終了10秒前、スダリオはディランをひっくり返して仰向けにすると、命さえも奪いかねない強烈なパウンドと膝を叩きつけたところでラウンド終了。

ディランは苦悶の表情を浮かべ、鼻からは血が飛び散っている。

2R開始直前、タイムストップが入りドクターチェックに。ここで試合続行不可能と見られスダリオのTKO勝ちが決まった。ディランの戦意を失った表情を加味しての判断だったのかもしれない。それほどスダリオの攻撃に恐怖を感じたのだろう。

デビュー戦でのマイクパフォーマンスでスダリオは、新弟子時代から世話になり、5日前に亡くなってしまった恩人の誕生日に勝てた事を喜び、そして母やエンセン井上への感謝を口にし、ダーティーな貴ノ富士から、素直で格闘技に真っすぐな青年、スダリオ剛へと生まれ変わった事を印象付けた。

格闘家の晴れ舞台、大晦日出場へ

初戦を見事な勝利で飾ったスダリオは、2戦目で早くも大晦日での、RIZIN26の出場を勝ち取る。

相手はあのプライド全盛期を盛り上げた名選手、ミノワマン。何と年齢差21歳、体重差30kgという、ミノワマンにとっては厳しい条件ではあるが、多くの猛者達と戦ってきたミノワマンの経験が、スダリオの若さとパワーの差をどう埋めるかに注目が集まった。

リングの上に上がると、まるで子どもと大人の様に体格が違う両者。だが、いつ何をしてくるかわからないミノワマンにやや警戒し、スダリオはローキックを中心に距離をとって攻めていく。

しかしこれだけ体重差があるとローキック一発も大きなダメージになってくる。ミノワマンはスダリオのローが効いて体勢を崩し、立ち技ではマズいとタックルを仕掛けるが、やはり簡単にタックルを切られ立ちでの戦いを強いられる。

だがミノワマンは吹っ切れたのか、スダリオのローに合わせて積極的に前に出て左右のカウンターパンチを合わせて来る。しかし、そのミノワマンの右足をスダリオのローが捉え、ミノワマンはたまらずマットに倒れこみ、スダリオは上からまるで薪を割る斧の様に拳をミノワマンの頭上に振り落とす。この一発でレフェリーは危険を感じ試合をストップ。

試合後インタビューでは「今回も1Rで終わってしまって」「不完全燃焼」と戦いへの貪欲な姿勢を示した。

論争を巻き起こした宮本和志事件

2021年3月21日、RIZIN27で宮本和志を迎えたスダリオ。ここで我々は再び彼の狂暴性を思い知る事となる。

ゴングが鳴り、真っすぐスダリオに突っ込んで来る宮本。その動きをしっかり見てスダリオはカウンター右フック。宮本は一旦マットに転がるが隙を見て立ち上がり距離を取ろうとする。その立ち上がり際に、死角からスダリオの強烈すぎる右ストレートが宮本の顔面を直撃! 宮本は失神して完全にKOで試合終了・・・のはずだったが・・・。

仰向けにマットに倒れ、完全に無防備な宮本の顔面に、スダリオは一発、二発と鉛のような重い拳を叩きつける。レフェリーが引き離そうとするもなおスダリオは追撃を続ける。

宮本は怯えるような顔でただ自分の顔面を、命を守る事しか出来なかった。

このスダリオの行動に怒りを爆発させた宮本のセコンドが、スダリオの胸を小突き、それにエンセン井上が激怒して乱闘騒ぎとなり、一時会場は騒然。更にスダリオはリング上で榊原CEOに「ちゃんとしたファイターとやらせてください」と悪びれる様子もなく大口を叩き、スダリオへのヘイトが日本中から集まった。この事件は業界内でも大きな物議を醸し、様々なファンやファイターが意見をSNSやYoutubeで発信し、格闘技の在り方を問う論争にまで発展した。

しかし、暴れん坊スダリオもこの件には反省したのか、その後自身のチャンネルで宮本に面と向かって釈明と謝罪を行っている。

初めての強敵

ここまでデビュー3連続1RKOという圧倒的な強さを見せ続けるスダリオだが、いよいよRIZINも本格的な強敵をぶつけてきた。迎えるは、こちらも直近2戦で1R一本勝ち&TKOを決めているシビサイ頌真(しょうま)。前試合の事件もありメンタル面も心配な中、スダリオの真価が問われる一戦だ。

1Rからお互いの攻撃が届く距離で打ち合う両者。ローキックの打ち合いが続くが、シビサイが右ストレートのフェイントからスダリオの足を取りに行く。

この時点で既にスダリオの足はシビサイのカーフキックによりダメージを受け、さらにシビサイの191cmの高身長から生まれるパワーに押されて、さすがのスダリオもよろめくが、体勢を立て直して再びスタンディングへ。

その後、シビサイの強烈な右ハイがスダリオの頬をかすめ、それが効いたと見てさらにシビサイが畳みかける。

やや押され気味のスダリオだが、コーナーに追い詰められたところで反撃を始め激しい打ち合いに。しかしお互い決定的なチャンスは無く、お互いのカウンターを警戒しつつ、距離をとりながら単発の攻撃を出し合ってラウンド終了。

2R、お互いに攻めあぐね、試合は膠着状態に。消極的に見える流れが続く中、途中レフェリーがタイムを入れ、両者に注意を与える。実はスダリオの足は、度々入れられるシビサイのカーフキックで完全に機能を失い、前に出る力を失っていた。しかし以降スダリオは徐々に前に出始め、ラウンド終了間際には気合だけで左右のフックのラッシュを仕掛けるが、ここでラウンド終了。

3Rも序盤は同じような展開が続くが、足の弱ったスダリオの左フックに合わせて、シビサイが強烈なタックルを仕掛け、ついにテイクダウンに成功。

数発パウンドを落とし、さすがにスダリオも嫌がって顔をマットに向けた隙にシビサイはバックを取り、そのままひっくり返して仰向けにしチョークスリーパーへ。 シビサイの剛腕の前になす術が無く、スダリオは無念のタップ。スダリオは総合格闘技初の敗北を喫した。

試合後のインタビューにスダリオは現れず、一瞬様々な憶測が飛び交ったが、実は足のダメージが非常に深刻で、立ち上がる事もままならないために、病院に直行したため、インタビューの欠席を余儀なくされたのだった。

現役アメリカ軍人と沖縄決戦へ

2021年10月24日、足のダメージにも不安が残る中、スダリオはRIZIN31に出場。前試合での敗戦以降、どんな状況でも落ち着いて行動するメンタルと、ディフェンス力を重点的にトレーニングしたというスダリオは、”横須賀秒殺NAVY”と呼ばれる現役軍人、SAINTと拳を交える。

ゴングが鳴ると、その通称に相応しく、SAINTがパンチを放ちながらスダリオに突進してくる。しかしスダリオは冷静にその拳を避け、ショットガンの様なカウンター右ストレートをヒットさせる。これは当然効いたであろう、SAINTは一旦下がり、態勢を立て直してから再び攻撃に出る。だが、SAINTが右ハイキックのモーションを出す間に、ワンツーでカウンターを入れるなどして打撃戦ではスダリオが一歩リード。

その後も次々にカウンターをヒットさせ、途中スダリオは両手を上げ「おいおいどうした?」と言わんばかりのポーズでSAINTを挑発する。明らかに自らが優勢と感じたスダリオは、SAINTにプレッシャーをかけていき、SAINTをコーナーに追い詰めると、右ボディブローから、左の強烈なフックをSAINTの顎に叩きつけ、SAINTはなぎ倒されるようにマットに倒れこむ。スダリオは一瞬追撃の構えを見せるが、宮本戦の事件が頭をよぎったか、自ら追撃を躊躇し、ここでレフェリーがストップし、試合終了。

マイクパフォーマンスでは対戦を受けたSAINTに「本当にありがとうございました」と敬意を表し、スダリオの人間的な成長も見られた。

大怪我から見事な復活

ここから大晦日で更に大きな活躍を見せたいスダリオだったが、なんと11月に練習中に左膝を負傷し緊急手術となり、休養を余儀なくされてしまう。

しかしその間もウェイトトレーニングは休まず、完治後は渡米し、ベラトールで活躍するティム・ジョンソンらと練習を重ね2022年7月31日に見事RIZINのリングに舞い戻ってきた。

迎えるはRIZINに旋風を巻き起こしているボンサイ柔術の一角、関根”シュレック”秀樹。50代間近という高齢ながら4連勝中、しかも全てがKO勝利、スダリオが敗れたシビサイをもKOしているというバケモノである。だが海外での活躍を夢見るだけに、ここで負けるわけにはいかない。

試合はたった一発で決まった。スダリオがジリジリとプレッシャーをかけ、関根をコーナーに追い詰めると、業を煮やしたように関根が踏み込む、そこに完璧なタイピングでスダリオのカウンター左フックが炸裂。薪を割ったような甲高い音が会場に響き、シュレックはマットに沈んでいく。スダリオは追撃する素振りを見せるが、今回は自ら追撃を止め、そこで試合終了。解説の高田延彦が「スダリオ、最後の一撃止めたね!」とスダリオの精神的な成長を喜んだ。

画像3: ROUND 1

※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/07/31/9f393e01089933981884139ee5c97664b53b4f5e.jpg(RIZIN公式HPより引用)

度重なるアメリカでの武者修行で、肉体も精神も瞬く間に成長していくスダリオ。これからもRIZINで活躍して欲しいが、アメリカで活躍する姿も見てみたい。弱冠25歳、総合格闘技歴も2年と、まだまだ伸びしろがたっぷり残されているスダリオの活躍を、ファンも心待ちにしている事だろう。そんなスダリオ剛からはまだまだ目が離せない。

スダリオ剛の知りたいトコ!

スダリオ剛の奥さんが美人過ぎる!

この記事の前半でも触れた、スダリオの自殺を食い止め、さらに総合格闘家へとスダリオの背中を後押しした、強く優しい妻。なんとそれだけではなく、容姿も非常に美しい。

YouTubeへの出演時は、スダリオの横でおにぎりを握ったり食器を片づけたり等、スダリオの世話をかいがいしくしている姿が映し出され、甲斐甲斐しく母親の様な包容力がある女性と見受けらる。こんなにステキな女性を虜にするくらいなのだから、スダリオも女性に対してはジェントルマンなのだろう。

弟・貴賢神との不仲説

スダリオと同じく元大相撲の力士だった弟・貴賢神がRIZINに参戦する事について問われた時スダリオは「全く分からない。連絡を取っていないし、関係ない」「本音を言うと、同じ世界でやっていくのは、正直イヤ」と語っている。また同じ「スダリオ」という名前を使われるのは絶対にイヤだと語っている。また、TRISTAR GYM 日本館を運営する赤沢幸則が

とツイートすると。スダリオは「是非やりましょう」とリプライを送り、弟チームと争う姿勢を見せた。元大相撲兄弟対決が実現すれば、大いに話題になる事は間違いないだろう。

かなり家庭環境はハードだった?

スダリオの両親は、父の酒乱が原因で離婚したのだが、なんと再婚相手である義理の父もかなりの酒乱&ワルだったそうだ。

体罰は当たり前、更には弟とスダリオを夜9時から朝5時まで無理やりケンカさせるという、誰が得するのかわからないメチャクチャな命令をされるなど、家庭環境は非常にハードだったようだ。

しかしそんな義理の父が、当時まだ新弟子の居なかった貴ノ花部屋をなんのツテも無く自力で調べ、兄弟を体験入門させたことがスダリオの格闘人生の始まりなのだから、本当に人生はわからない。義理の父を「いつか〇してやる」と思っていたそうだが、スダリオの人生に大いに貢献した人物であるとも言える。

まとめ

ここまでスダリオ剛のストーリーを見てきたが如何だっただろうか。サッカー、バスケなどのスポーツ少年時代を経て相撲界に入り、順調に昇進していく中での暴力事件発覚。一度は自殺も考えたが、妻の一言でもう一度闘志に火が付き総合格闘家に転身。ヒール扱いされながらもひたむきに練習を重ね、実績を積み上げていく彼の姿を見て、彼を応援するファンも着実に増えてきている。

RIZINヘビー級にスダリオの敵は居ないと言う人間もいるが、弟の貴賢神とのバトルも見てみたいファンは多いだろう。それともこのままUFCへとその翼を広げていくのか。いずれしろ、まだまだ伸び盛りのスダリオだけに可能性は無限大と言えるだろう。

画像1: 入場

※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/07/31/c48f23c05dacb1475f4220447b1a40d7569d8afa.jpg(RIZIN公式HPより引用)

世界で活躍し、日本人の夢をその大きな背中に背負い、全国民から応援される本当のヒーローになっていくことを願って、これからも皆さんと一緒にスダリオ剛を見守っていきたい。

※アイキャッチはRIZINの公式HPより引用