確かな実力を持ちながら、熾烈を極めるRIZINフェザー級で存在感を発揮しきれていない男がいる。
“キング・オブ・ブレイブ”こと、芦田崇裕だ。芦田は、第8代DEEPフェザー級王者でありながら、まだRIZINで大きなインパクトを残せてはいない。
ただ、宮田和幸氏のもとで磨かれた実力は確かで、日本トップファイターの1人であることは間違いない。
今後、芦田が日の目を見る時は来るのだろうか?
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/29/badef7ae39a86b87ed847dfe64bbdf2fc69a3271_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
まずは、プロフィールから見ていこう。
芦田崇宏のプロフィール
名前 :芦田 崇宏
生年月日 :1989年8月29日
出身地 :埼玉県越谷市
身長 :174㎝
体重 :66.0㎏
戦績 :プロMMA32戦22勝12敗2分け
アマチュアMMA3戦2勝1分け
キックボクシング1戦1敗
階級 :フェザー級
所属 :BRAVE(ブレイブ)
獲得タイトル :元DEEPフェザー級王者
入場曲 :WAR WAR! STOP IT(下町兄弟)
バックボーン :ボクシング、レスリング、柔道
公式 HP :―
Twitter :芦田崇宏 Takahiro Ashida
Instagram :芦田崇宏 Tkahiro Ashida
YouTube :―
アパレル :―
ファンクラブ :芦田崇宏
プロデビューから DEEP フェザー級王者へ
まずは、芦田崇宏のプロ格闘家としてデビューする前の経歴から紹介する。
芦田が最初に始めた格闘技は柔道であった。当時、大ブームを巻き起こしていたPRIDEを観て、いつの日か総合格闘家になる事を夢見ていたという。高校時代にはレスリングとボクシングを始め、ボクシングではインターハイ、国体に進出するほどの実績を残している。
その後、19歳の時に総合格闘技ジム“BRAVE”に入門した事をきっかけに総合格闘技を始める。当時、現役選手として活躍していた宮田代表の大ファンであった事、たまたま自宅の近くにBRAVEのジムをホームページで発見した事が入門を決意した理由であった。
プロ格闘家デビュー!
2010年10月24日に開催されたDEEP TOKYO IMPACTでプロ格闘家デビューを果たす。対戦相手の有村脩也を1R0:37TKOで下し、見事にデビュー戦を秒殺勝利で飾る。
しかし、続く2戦目でアームロックによる1本負けを喫してしまう。その後、2戦連続で引き分けを経験。思うように勝ち星が掴めない状況が続く中、4戦目として所属ジムであるBRAVEが主催する格闘イベントBRAVE FIGHT1への出場が決定。この試合で藤澤優作に1R0:10ハイキックによる秒殺KO勝利を挙げる。その後、DEEP、BRAVE FIGHT、REBEL、PXCといった様々な格闘技イベントを舞台に試合を重ねる。その中で、ミゲール・トーレスやクレベル・コイケなどの世界的な強豪には敗戦するものの、時に6連勝を挙げるなど着実にその実力は認められてゆく。
古巣DEEPへ凱旋、タイトルマッチ挑戦!
2017年5月13日DEEP CAGE IMPACT 2017に参戦し、3年ぶりにDEEP凱旋を果たす。
この試合でオーロラ☆ユーキに3-0の判定勝利を挙げると、同年9月のDJ.taikiにも2-1の判定勝利。この2試合での勝利が評価され、同年12月23日に開催されたDEEP 81 IMPACTにおけるDEEPフェザー級タイトルマッチ挑戦者に抜擢される。
対する王者の上迫博仁は、前王者の石司晃一をサッカーボールキックで下し戴冠した猛者である。
試合は打撃中心に展開してゆき、1Rはお互いにキックで相手との距離を測る展開が続く。
2Rになると手数を増やし、ギアを挙げた芦田の右フックで上迫がダウン!そのまま上になった芦田がパウンドで攻めるなど、優勢に試合を進める。3Rバックを取られるシーンもあった芦田だが、冷静に対処し、終盤に上になるとガムシャラにパウンドを打ち続け、ジャッジへアグレッシブさをアピールすることに成功。
結果は判定決着へ。5名のジャッジは全員が1ポイント差の僅差の判定をつけ、4-1で芦田が勝利。プロデビュー30戦目で悲願のベルトを獲得した芦田はリング上で号泣。マイクでは宮田代表、ファンへの感謝の気持ちを形で伝えた。
難敵、弥益ドミネーター聡志との2連戦!
翌2018年6月30日DEEP 84 IMPACT ~DIFFER ARIAKE FINAL DAY~にて、弥益ドミネーター聡志とノンタイトルマッチ戦が決定。弥益は変則的な打撃と必殺“洗濯ばさみ”を武器に5連勝中と勢いにのる難敵である。試合開始早々、弥益の右フックがヒット!
倒れた芦田はサッカーボールキックの連打と踏みつけを被弾。大きなダメージを負った芦田そのまま下になり、一瞬の隙を突かれて1R1:35アームロックを極められてしまった。まさかの秒殺1本負けで王座獲得後の初戦で黒星を喫してしまう結果となった。
両者は同年10月27日にダイレクトリマッチで再び激突。今度は芦田の持つDEEPフェザー級のベルトを懸けてのタイトルマッチであった。
ゴングが鳴ると、試合巧者の弥益に終始リズムを握られる展開となる。スタンドではトリッキーな弥益の打撃に翻弄され、グラウンドでもポジションをコントロールされつづける苦しい局面が続く。
最後まで弥益のテクニックを打破する事が出来ず、3-0の判定負け。完敗とも言える内容で王座を陥落してしまう。苦難の末に獲得したベルトを失った芦田は大きな精神的ショックを受けたという。しかし、2018年12月31日に師匠である宮田和幸が引退試合を行い、見事に1本勝ちした姿に感銘を受けて復帰を決意。2019年10月22日DEEP92 IMPACTにて長倉立尚と対戦し、3-0の判定勝利。見事に復帰戦を白星で飾ることに成功する。
RIZIN 参戦後の戦い
2019年12月29日アメリカの総合格闘家団体Bellator(ベラトール)とRIZINの共同開催となった“BELLATOR JAPAN”にキックボクシングルール68.0㎏契約3分3Rでの参戦が決定。芦田の対戦相手は何と、“新生K-1の申し子”の異名を持つ平本蓮である。学生時代にボクシングでインターハイと国体に出場経験のある芦田ではあったが、キックルールでの試合は初挑戦であった。
戦前から周囲の予想は芦田の圧倒的であるとの意見が大半であった。試合序盤からパンチ主体の攻撃でペースを握る平本に対し、芦田は跳びヒザやハイキックで応戦。しかし、すぐに平本の的確な打撃が芦田の顔面を捕らえはじめる。左目の下をカットするなど、深いダメージを負い3度のダウンでレフェリーストップ。一方的な内容で1R2:45TKO負けを喫する。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/29/ab5e344d20e3d2dbf250228463ee8c4a81ce7f3a_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
“アンダーグラウンドエンペラー“萩原京平との戦い!
翌、2020年9月27日のRIZIN.24。参戦2戦目で初のMMAマッチが決定する。対戦相手はRIZIN初戦となった白川陸斗戦で派手なKO勝ちを収め昇り調子の萩原京平である。
試合序盤、芦田のキックでバランスを崩した萩原に対し、タックルで組みつくことに成功。
萩原は強烈なヒジ打ち、掌底を打ち込み距離を取ろうとするが、芦田は辛抱強くテイクダウンを狙い続ける。ついにマウントポジションを取った芦田はバランスを崩されながらも下から萩原の右腕を捻り上げるとたまらずタップアウト!見事に1R4:25アームロックによる一本勝ちを収めた。
“影の王者” 金原正徳との戦い!
次戦は試合間隔が1年以上開いた2021年10月24日のRIZIN.31となる。対戦相手は日本格闘技界・影の王者の異名を持つ金原正徳。確かな実力を持つ強敵であり、この試合がMMA43戦目となる大ベテランでもある。
試合はスタンド、グラウンドともにハイレベルな攻防となる。打撃の攻防からマウントポジションを取られる芦田だが、一瞬のスキを突いて反転。上からパウンドを狙うも、有効な攻撃は加えられない。スタンドに戻されパンチを振る芦田だが、金原の膝をボディに効かされて苦し紛れのタックルを仕掛ける。タックルを切られて下になった芦田は肩固めを極めかけられるも、ゴングに救われ1R終了。
2R開始早々、芦田はパンチを振って前に出るが金原にヒザ蹴りを効かされる。その刹那、ヒザ蹴りに意識が向いた芦田の顔面に、金原の右ストレートがヒット!芦田はそのままダウンしパウンドの連打を被弾。2R1:18レフェリーストップにより芦田はTKO負けを喫する。1年越しの試合を勝利で飾ることは出来なかった。
元PXC王者・カイル・アグォンとの戦い!
2022年4月17日RIZIN.35での復帰戦が決定。対戦相手は元PXCバンタム級王者であり、山本美憂の夫としても知られるアメリカ人ファイター、カイル・アグォン。序
盤は両者共に軽快な打撃を繰り出す展開。アグォンが組み付くと、足を滑らせた芦田は下になる。そこから強烈なパウンドを繰り出すアグォンに対し、芦田の劣勢が続く。サイドポジションからマウントポジションに移行されると、さらにパンチとヒジ打ちを被弾。芦田は必死に立ち上がるも、1R終了。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/04/17/b4f1f1286262ccd533ace0f6e7fac5cffa4018d3_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
2R序盤。アグォンが組み付き、1R同様に芦田が下になる展開。三角締めを狙うが、しのがれてバックポジションを許してしまう。チョークスリーパーを懸命に逃れる芦田に対し、アグォンはポジションを変えながら、鉄槌とパウンドで確実にダメージを与えてゆく。芦田が劣勢のまま2R終了。
3R開始早々、前に出てタックルを仕掛けるアグォンにカウンターのギロチンチョークで応戦する芦田。しかし、冷静に頭を外したアグォンにサイドポジションを奪われる。上になったアグォンがアームロック、三角締めを繰り出しフィニッシュを狙うが、芦田もヒザ蹴りで応戦し、必死に耐える。アグォンがパウンドの連打を放った所で試合終了。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/04/17/9c7f53c8e686f126aee84423879aadc4675aa3c6_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
判定の結果は0-3。完敗ともいえる内容での敗戦となった。
2022年現在、芦田の次戦はまだ発表されていないが、またRIZINで輝く瞬間を期待したい。
芦田崇宏の知りたいトコ!
芦田の憧れの格闘家は?
憧れの格闘家は師匠でもある宮田和幸と、そして元K-1王者のアンディ・フグとのこと。
休日は映画・音楽鑑賞、絵を描いて過ごす事が多く、ディズニーも大好きなんだそう。
まとめ
芦田崇宏は2010年にDEEPのリングでプロ総合格闘家デビュー。初戦を見事1RTKO勝利で飾る。その後、BRAVE FIGHT、REBEL、PXCといった様々な格闘技団体に参戦する。その中でミゲール・トーレスやクレベル・コイケなどの世界的な強豪とも試合を重ね、時に6連勝を挙げるなど実力を向上させてゆく。
2017年、DEEPフェザー級王者の上迫博仁に挑戦。見事に判定勝ちで王座を獲得。翌年、弥益ドミネーター聡志とノンタイトル戦で対決するも1R一本負けをしてしまう。ベルトを賭けた再戦となるタイトルマッチでも判定負けを喫し、王座陥落。
2019年“BELLATOR JAPAN”のキックボクシングマッチで平本蓮と対戦し1RKO負け。続くRIZIN.24で萩原京平から見事なアームロックを極めてRIZIN初勝利。翌年のRIZIN.31でベテランの金原正徳と対戦し右ストレートからのパウンド連打で2RTKO負け。続くRIZIN.35のカイル・アグォン戦でも持ち味を生かせず判定負け。次戦はまだ発表されていない。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/04/17/df46c78907cd7144bc5056a832ad3c63bd0e0185_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
※アイキャッチはRIZINの公式HPより引用