今、日本で目が離せない格闘家こそ、平本蓮だろう。格闘技以外でも、TwitterやYouTubeで話題を振りまく平本は、格闘家きっての“インフルエンサー”だ。歯に衣着せぬもの言いからアンチが絶えない一方で、平本を支持する熱烈な「平本チルドレン」も多い。それを裏付けるように、自身のアパレルブランドである「amnjx(アマノジャク)」のポップアップイベントを開けば、グッズを求めて長蛇の列が並び大盛況している。
平本と言えば、K-1時代に高校生ながら当時日本人無敗だったゲーオや、“ムエタイ大魔神”ゴンナパーを敗った天才ファイターとして注目を集めた。このままキックで約束されたスターの道へ上がると見られたが、平本が選択したのはなんでもありのMMAだった。
鳴り物入りでRIZINに参戦した平本だが、ここまでMMA戦績1勝2敗と期待されたほどの結果は出せていない。しかし、「UFC王者になる」というビッグマウスは変わらず、彼のカリスマ性が消えることもない。
では、いったい平本蓮のカリスマ性や人気の秘訣はなんなのか? 平本のキャリアを振り返りながら、平本蓮を徹底解剖していこう。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/07/02/c196354f2e2a2a3b20b47c0ce54198cede6a3f73.jpg(RIZIN公式HPより引用)
平本蓮のプロフィール
名前 :平本蓮
生年月日 :1998年6月27日
出身地 :東京都足立区
身長 :173cm
体重 :66.0kg
戦績 :【MMA】4戦 2勝(0KO・0本) 2敗 【キック】15戦 11勝(6KO) 4敗
階級 :フェザー級
所属 :ルーファスポーツ
獲得タイトル :K-1甲子園2014 -65kg優勝・K-1 WORLD GP 初代ライト級王座決定トーナメント準優勝
入場曲 :「人にやさしく」(THE BLUE HEARTS)
バックボーン :キックボクシング
公式HP :ー
Twitter :@REN _MMA
Instagram :REN __k1
YouTube :平本蓮 & 平本丈 公式
アパレル :amnjx
ファンクラブ :ー
今年でまだ24歳と伸び盛りの平本。Twitterのフォロワー数は21万人超えで、格闘家の中でも随一の影響力を誇っている。Twitterでは、朝倉未来や、皇治などに噛みつき話題に事欠かない。また、7月に行われた前戦では、「怪物くん」こと鈴木博昭を判定で沈め、悲願のMMA初勝利をあげている。
では、まずは平本蓮の幼少期から見ていこう。
足立区に生まれたカリスマ
平本は、1998年6月に東京都足立区で生まれた。小学生の頃に、父の勧めでキックボクシングを始めた平本は、瞬く間に才能を開花させていった。アマチュア時代には、キック無敗の“神童”那須川天心とも対戦経験がり、2戦2勝だったと語っている。そしてアマチュアでは、100戦し95勝という圧倒的な成績を残した。
高1になった平本は、K-1甲子園2014の65kg級に出場し、見事に優勝。翌年の高2からプロデビューを果たすことになる。
※引用元URL:https://twitter.com/fight_and_life/status/1278134148469633025?s=20&t=w4PAWSbzBLQf7cDnrNz7gg(
Fight&Life(ファイト&ライフ)編集部のツイートより引用)
連勝スタートのキックデビュー
平本のプロデビュー戦は、2015年1月の石川祐樹戦。平本は、1ラウンドに左フックでKO勝利を飾り、デビュー戦を勝利で飾る。その後も、3連勝で白星を重ね、3戦無敗という好スタートを切った。そして、平本には“新生K-1の申し子”という異名がつけられ、K-1をになっていく存在として大いに期待された。
そして、平本の4戦目の相手は、木村“フィリップ”ミノルが用意された。木村は現在、ボクシングに転向しているが、後にK-1スーパーウェルター級王者に輝く男。木村は当時24戦19勝の戦績で、デビューしたての平本からすればはるかに格上の存在だった。
リング上で対戦がサプライズ発表された2人は、それぞれマイクを握った。平本は、「こんにちは、K-1ジム総本部所属の平本蓮です。9月22日に木村ミノル選手と試合が決まって、あとちょっとなんで最後調整して僕が新しいK-1の伝説作っていきたいと思うので、(中略)僕が絶対勝つんで応援よろしくお願いします」と爽やかにコメント。
一方の木村は、「どうも木村ミノルです。まあ、絶対勝つって言ってるんで、俺も本気で潰しに行きます。未来の格闘技に必要な選手だけどここで終わらせるつもりで、今回は本当に殺しに行きます」とオラついたコメントで平本を挑発した。
その後のフェイストゥフェイスでは、木村が平本に急接近する場面を見せ、緊張感が漂った。
木村がキャリアの差を見せつけ圧倒するのか? それとも平本が若さと勢いで呑み込むか? 注目のカードは想像以上の激闘となった。
1ラウンド、木村は得意の左フックで重機のように圧力をかけて平本を押し込む。平本はぐらつかされる場面を見せるも、ダウンはせずワン・ツーを返す。2ラウンドに入ると、木村はさらに圧力を強め、前に出る。木村と平本では、明らかにハンドスピードに差があり、平本にとって苦しい局面が続く。そして、平本は2ラウンド終盤に左フックでダウンを喫してしまう。
最終ラウンド。開始直後、お互いに抱き合い健闘を称え合ってから勝負は始まった。最終ラウンドになっても、2人の激しい打ち合いは変わらず、両者のパンチがヒットするたびに歓声が湧き上がる名勝負となった。
結局、結果は判定にもつれ込んだが、ダウンを奪った木村が3-0で完勝。プロ初黒星を喫した平本は、リング上で悔し泣き。まだ高校生の平本を木村は抱擁し、再び健闘を称え合った。
Krush -63kg トーナメントへ
平本は2016年に第4代Krush -63kg王座決定トーナメントへの参戦が決定。このトーナメントは、第3代Krush -63kg王者の山崎秀晃がベルトを返上したことを受けて開催。記者会見では平本を含む8名が集結。平本にとっては、主戦場だった-65kgよりも2kg軽い階級での試合となった。マイクを持った平本は「このベルトは僕が一番似合う。ベルトを獲ったら防衛戦の相手にゲーオ(・ウィラサクレック)を指名したい」とコメント。当時、無類の強さを誇っていたゲーオへ宣戦布告。
初戦の相手は、桜井“マッハ”速人の弟子でMMAファイターの原田ヨシキに決定。原田について平本は「特に何も思わない。レベルの差を見せ付けて圧倒的にKOするだけ」と豪語。
試合では、原田を2ラウンドで沈め宣言通りのKO発進。初の63kgでの試合となった平本は「-65kgから2kgしか違わないんですけど、適正階級ってあるんだなと思いました。(中略)自分から圧力もかけられるので、今は-63kgが適正階級だと思います」とコメント。新たな階級への手応えを口にした。
そして、平本は準決勝の泰斗戦もフルマークの判定勝利で突破し、決勝戦へと駒を進めた。
決勝では、現在もK-1で活躍する佐々木大蔵と対戦。この決勝戦は両者譲らぬ接戦となり判定へ。ジャッジ1人はドローをつけたものの、2人が佐々木を支持し0-2で平本の判定負けに。平本の初の王座戴冠はならなかった。
しかし、ここから平本の逆襲が始まる。
K-1 WORLD GP 初代ライト級王座決定トーナメントへ!
Krush -63kgトーナメントの優勝を逃した平本だったが、2017年に再びビッグチャンスが舞い込んできた。それは、K-1 WORLD GP 初代ライト級王座決定トーナメントへの参戦である。このトーナメントは、ワンデーで開催され、優勝するには1日で3連勝しなければならない過酷な戦いに。そして、トーナメントの参戦者には、卜部兄弟の弟、卜部巧也をはじめ、ゴンナパー・ウィラサクレックや、強豪中国人のウェイ・ルイ、平本を敗った佐々木大蔵などのビッグネーム8名が集結。また、リザーブファイトでは、今も度々Twitterで舌戦を繰り広げる安保瑠輝也も名を連ねた。
平本の初戦の相手ブリース・デルバールに決定。デルバールは17歳の新鋭で平本との10代対決となった。試合では、平本がローキックとストレートを主体に攻める。一方、デルパールも前蹴りや後ろ回し蹴りで対抗し接戦に。結果は判定に委ねられたが、2-0の僅差で平本が判定勝利を掴んだ。
準決勝に進んだ平本の相手は、“ムエタイ大魔神”ことゴンナパー・ウィラサクレックに決定。ゴンナパーは、「事実上の決勝戦」と言われた1回戦で優勝候補の卜部巧也をダウンさせ判定勝利をあげている。また、元Krush王者の山崎秀晃にも勝利しており「日本人キラー」の異名も持つ。
過去最強の相手を迎えることになった平本だが、果たして格上「日本人キラー」を超えることはできるのだろうか? 試合は衝撃的な決着となった。
ローキックを中心に組み立てるゴンナパーに対し、平本はストレート系のパンチを当ててゴンナパーを下がらせる。平本は、さらにパンチをまとめ右ストレートでゴンナパーを撃ち抜きダウンを奪取! すぐに立ち上がったゴンナパーは、平本ととの打ち合いに挑んだものの、平本の左フックがゴナンパーを捉える! ゴンナパーは、リングで大の字に倒れこみ勝負あり。なんと、18歳平本蓮の衝撃KO勝ちとなった!
平本は、コーナーに駆け上がり喜びを爆発! 会場は割れんばかりの大歓声となった。平本は、試合後「サウスポーは得意で、当たるだろうと思ってた」とコメント。敗戦したゴンナパーは、「気が抜けていたわけではないですが、警戒が足りなかったと思いました。相手が前進してくるのが予想できてなくて、それに対する警戒が足りませんでした。」と無念のコメントを残した。
いよいよ決勝へと駒を進めた平本。決勝の相手は、中国の強豪ウェイ・ルイに。ウェイは1回戦で平本が屈した佐々木大蔵をKOで倒した危険な相手。また、ウェイは過去にGLORYとRISEの世界王者として君臨するペットパノルムン・キャットムーカオにも勝利している。
平本は、ウェイを撃破しK-1ライト級の初代王者となれるのだろうか? 平本にとって、過去最大の大一番が幕開ける。
試合では、平本がバックステップを巧みに使い打撃を当てる。一方のウェイは左右のフックで襲いかかりペースを渡さない。最終ラウンドでは、両者が撃ち合いの展開を見せるも、平本は疲れからか徐々に手が出なくなる。最後は、ウェイの打撃に平本が下がらされて試合終了となった。
平本は胸に手を当て、祈るような表情で判定結果をまった。判定結果は、1-2の僅差で平本の判定負け。序盤は平本ペースだったものの、後半にウェイに巻き返され勝利を掴むことはできなかった。平本は大粒の涙を流しリングを後にした。
試合後、平本はトーナメントの3戦について、「一回戦はやりづらかった。久しぶりの試合でリングを大きく使いながら、ケガしないようにと思ってました。準決勝は右足のケガを気にしないようにして、想定内の試合だったんですけど、決勝は右足にローを打ったら効いていたので有効打を取ってると思って、勝ったと思ったんですけど、ジャッジを聞いて『あ、負けたんだな』」とコメント。
弱冠18歳でのK-1王者とはならなかった平本だが、ゴンナパーをKOするアップセットを巻き起こしその実力を知らしめた。そして、今後平本はさらなる飛躍を遂げる。
因縁に相手、佐々木大蔵とリベンジマッチへ
激戦のトーナメントから約9ヶ月後、平本はウマル・パスハエフ戦を勝利で飾る。そして、2017年11月に佐々木大蔵とのリベンジマッチが決定。平本は「今まで生きてきた中で、こんなに思い入れのある試合は初めて」とこの試合にかける並々ならぬ思いを口にした。また、佐々木について「大蔵君は(Krush)チャンピオンになってから、ますます強くなっている。リベンジというより、王者にチャレンジする気持ちで戦います」と闘志をみなぎらせた。
対する佐々木は、「相手が平本蓮と聞いたとき、すぐやると決めた。知名度もすごくあるし、ここで勝てばK-1のベルトに近づく」とコメント。佐々木は、平本の実力を誰よりも認めていた。
約1年半ぶりの再戦をものにするのは一体どちらだろうか?
試合は、1ラウンドから両者のパンチが交錯しほぼ互角の展開。続く2ラウンドでは、平本がプレッシャーを強め佐々木をロープに詰めパンチでぐらつかせるシーンを見せる。しかし、佐々木も怯まず右フックやアッパーをヒットさせていく。そして、運命の最終ラウンド。佐々木がワンツーからの左ミドルを放ったところ、平本の右ストレートが佐々木を撃ち抜き、佐々木がダウン! 立ち上がった佐々木は怯まず撃ち合いに挑むも、今度は平本の右フックが佐々木を捉え2度目のダウンを奪って試合終了となった。
平本は2度のダウンを奪う圧倒劇で3-0の判定勝利を掴み、リベンジに成功! リング上でマイクを握った平本は、「いろんな人に知ってもらえるようになって、プレッシャーは何倍にも増えっていって、きっとこれからももっともっとプレッシャーがくると思うんですけど、その度に弱い自分を超えたいと思います。3月ゲーオとやらせてください。お願いします」とコメント。日本人相手に無類の強さを見せるゲーオ・ウィラサクレックに対戦要求した。
日本人で初の快挙! ゲーオ・ウィラサクレックを衝撃KOへ
前戦でゲーオ・ウィラサクレックとの対戦をアピールした平本。平本の願いは2018年3月にさいたまスーパーアリーナの大舞台での実現が決定した。「ゲーオ vs. 平本」の発表記者会見に登場した両雄。マイクを持った平本は、「記念すべき大きな大会でゲーオとついに戦えることは、自分が頑張って来たのもそうですが、夢の舞台が整ったじゃないですけれど、諦めずに小さい頃からやってきた集大成がこのカードだと思う。どうせやるなら最強の相手とやりたかった。僕はゲーオを最強の選手だと思っているので、不撓不屈の戦いを見せたい。勝ちに行って最高の試合を見せたい」と気合の入ったコメント。
一方のゲーオ・ウィラサクレックは、「対戦にあたって精一杯の準備をしてリングの上で力を出し切るための、万全の準備をしていきたいと思います」と万全の状態で平本を迎え撃つことを明言。
WBCムエタイ世界スーパー・フェザー級王者のゲーオは、圧倒的な強さでK-1の初代スーパーライト級王者に輝くと、その後も世界最強決定トーナメントでも優勝するなど、K=1で無類の強さを誇っていた。また、日本人相手にKO負けをしたことがない体の強さも持ち合わせる。
いよいよ過去最強の相手を迎えた平本蓮の最後の挑戦が始まる! 平本は憧れを越えられるのか?
ゴング直後、ゲーオが鋭いハイキックで平本を威嚇。しかし、平本もパンチの手数で上回り、ゲーオに主導権を渡さない。平本は、堂々とした戦いぶりでゲーオにプレッシャーをかけ1ラウンドを優位に進めた。そして、試合が動いたのは2ラウンド。ゲーオは数多の敵を沈めてきた左ストレートを繰り出し勝負に出ると、平本は三日月蹴りで反撃に出る。平本は蹴りを多用しながらゲーオの前進を許さない。そして、平本がゲーオをロープ際に追い込むと、近距離での打ち合いに! 平本は、パンチの速度で上回り右ストレートと左フックでなんとゲーオからダウンを奪う! 立ち上がったゲーオだったが、残り50秒で平本がパンチのラッシュを仕掛け再びゲーオがダウン! 審判が試合を止め、平本のKO勝利となった! 平本はリングに寝転がり、喜びを爆発。
平本は、涙ながらにセコンドと抱き合い大金星を噛み締めた。リング上でマイクを手にした平本は、「いつも試合が終わった後、言うことを考えているんですけど、今回はとりあえず勝ちたかったので考えていませんでした。お父さん、お母さん、龍児さん、彼女や応援してくれるみなさんにありがとうを伝えたいです。これから僕がスターとしてK-1の本物のスターになって世界最大のイベントにしたいと思うので、みなさんもよろしくお願いします」と力強くコメント。
平本は、日本人ではじめてあのゲーオをKOする快挙を達成。試合後のインタビューでは「ずっと目標にしてきたラスボスに勝ったなって思いですね。僕はずっとこの試合で完全燃焼すると思ってたんで、勝っても負けてももしかしたら辞めちゃうのかなと思ってて。これが終わったら引退してもかまわないと思っていたんで。本当にこの試合に全てを賭けてたので、とりあえずこの試合に勝てて良かったです」と話したが、リング上での「K-1を世界最大のイベントにする」という発言とは打って変わって、「完全燃焼」や「引退」など意味深なものとなった。
ゲーオをKOした平本の次なる標的は、第2代スーパーライト級王者のベルトを巻く「怪物」野杁正明との対戦を望む声も聞かれたが、平本は予想外の行動をとることになる。
天才のその後
ゲーオを倒した平本は、同年8月にKrushで出たエキシビジョンマッチを最後に突如K-1から姿を消した。「新生K-1の申し子」と言われた平本に一体何があったのだろうか?
平本が沈黙を破ったのは、2019年10月31日だった。平本は、11月1日に0:00に重大発表があると予告。定刻になると自身のツイッターで「K-1ジムとの契約が満了」したと報告。つまり、平本はK-1からの離脱を表明したのである。
本日11月1日を以てK-1ジムとの契約が満了しました
まずはK-1の関係者の皆様
本当に大変お世話になりました。
新生K-1の復活があったからこそ今の僕が居て、夢を持って戦ってこれました。僕を1から育ててくれて人としても選手としても成長させてくれて
本当に感謝しきれません。
※続く— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) October 31, 2019
続けて平本は、「ゲーオとの試合が終わったら僕は引退をしようと思ってました。だけどあの時初めて試合中燃え滾るような気持ちになれました。それを感じた時に僕は心の底から格闘技に依存をしてしまいましたそして世界に出てもっと挑戦したいという新たな夢ができました」と率直な気持ちを綴った。
そして、「世界最高の頂を目指して頑張ります! 今日から新しく契約ができるようになったので、復帰戦は決まり次第ご報告させていただきます! 最後に今でもK-1を愛しています! 俺は俺のやり方でK-1が最高を証明していきます! 世はまさに大格闘技時代! 行くぜ! 新世界へ!! Wego!」と新たな団体でK-1の強さを証明していくと豪語。
平本は、どこの団体でどの競技にチャレンジしていくのか、その動向に注目が集まった。
平本蓮、「K-1の申し子」が禁断のRIZINデビューへ
平本の新たな舞台は、「RIZIN」だった。重大報告からわずか2ヶ月後に12月29日に行われる「BELLATOR JAPAN」にて平本の復帰戦が決定。対戦相手は、元DEEPフェザー級王者の芦田崇裕に決まった。芦田はMMA選手だが、ルールはRIZIN キックボクシングルール68.0kg契約3分3Rと発表された。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/04/88df5d3f55e644a206149556a8cb77e93279cee1_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
RIZINの記者会見で、平本は赤髪にサングラス、そして両耳ピアスというK-1時代とはかけ離れた姿で登場。先にマイクを握った芦田は「RIZIN初出場ですが、今回はキックボクシングルールという形で出場します。平本選手はちょっと見ない間にだいぶチャラついているようなので、僕の得意な打撃でKOしてあげます」とコメントし、平本の風貌にも言及。
対する平本は、「K-1から来ました平本蓮です。僕もRIZIN初出場で芦田選手にはキックルールで試合を受けてもらって凄く感謝していますが、KOすると言われたので思い切り倒し返してやろうかなと思います」と不敵に笑った。また、「僕はK-1と契約を満了してRIZINさんと契約させてもらいましたが、死ぬまでK-1ファイターだと思っています。どこで戦おうがK-1の強さを見せたいと思います」と語り、K-1愛を忘れなかった。
平本は、MMAファイター芦田相手に元K-1ファイターとしての意地を見せつけられるか?
平本はK-1時代にはなかった翼の生えたドクロのタトゥーを胸に刻み登場。試合は平本の独壇場となった。平本は、右ミドルから入って芦田を牽制。さらに、平本はヒザ蹴りで芦田をぐらつかせ、パンチのラッシュで芦田を倒す。しかし、ダウンとはならず試合再開。再開後、平本は、右ストレートからの左フックで今度は文句なしのダウンを奪う。立ち上がる芦田だったが、平本は右ストレートをヒットさせ、再び芦田からダウンを奪う。芦田は、起死回生の飛びヒザを狙うが平本に見切られる。そして、平本は右ストレートで三度芦田からダウンを奪い、試合終了となった。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/29/c7e3d5991cf719b789422f368f1472e8ce924378_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
平本は復帰戦を見事なKOで飾り、キックボクサーとしての格の違いを見せつけた。リングインタビューでは「こんにちは。K-1から来ました、平本蓮です。まずこの試合を受けてくれた芦田選手、本当にありがとうございました。僕の土俵にも関わらず戦ってくれた芦田選手の勇気に拍手をお願いします。お父さん・お母さん本当にありがとう。いろいろあって試合できない時期があって、一生試合できないんじゃないかと思ったこともあって、そんな時に支えてくれたスポンサーのみなさんや家族や友達に感謝を伝えたいです。これからRIZINの看板選手になれるよう頑張るのでよろしくお願いします。」と涙ながらにコメントし、K-1時代と変わらぬ姿を見せた。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/29/3e88220ee013fc9c7c60a6ce3b9bdc4ffe028b90_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
平本はこのままRIZINでキックボクサーとして活躍していくのだろうか?
平本蓮と朝倉未来 最初の因縁
年明けの2020年、平本はここから波乱の1年を迎える。まず、平本は4月19日に「朝倉未来をぶっ飛ばしてみた」という動画自身のYouTubeチャンネルに投稿。動画の内容は、アメリカ映画のキャラクターに扮した平本が、朝倉未来の顔をプリントしたサンドバックを殴るというもの。動画はすでに削除されているが、視聴者から「売名行為だ」や「ただただダサい」などのコメントが寄せられ炎上。
https://twitter.com/REN_MMA/status/1251794315166117888?s=20&t=4Qid5lbLNRlmrUNnAdTLWA
標的にされた朝倉も、「今はこんな状況で試合も出来ないのでどこかジムを借りてレフェリーを入れてガチのスパーリングしませんか? こちらのYouTubeで撮影させてもらいますが、あなたのRIZIN初戦より高いファイトマネーを僕が払います」とツイッターで反応。
平本も「そんなはした金は要らないです👎 俺はみんなの前で未来選手をぶっ飛ばしたいのでしっかりRIZINでやりましょう やる価値ないって言うなら俺がしっかりパンチでグスタボKOしてからでもいいんで👍」と返信。
動画は平本がYouTubeアカウントを消したことによって、視聴できなくなっているが、これを皮切りに平本の言動はさらにヒートアップしていく。
平本のMMA電撃転向へ
YouTubeの炎上騒動から2ヶ月後、平本はRIZIN公式YouTubeチャンネルで『榊原社長に呼び出されました』に出演。次戦について問われると、「キックはやらない。次からMMAでやります」とMMAに完全転向することを明かした。そして、「朝倉未来選手とMMAでやりたい。ミックスルールが大っ嫌いなので」と語り、朝倉未来を目標にすると明言。
目標の朝倉戦に関して、「もちろん(段階は)踏みます。もともと、未来選手がカッコイイなと思っていて、すごく好きというより戦いたいなと思うじゃないですか。K-1でデビューした時も、ずっと『ゲーオとやりたい』と言ってきて、それで組まれて戦って勝った。RIZINに来た理由も未来選手とやりたいって目標なので、クリアできるかなと思いますね」とコメント。平本は「未来選手がカッコイイ」と言い、今では考えられない発言もしている。
最後に平本は、「小さい頃から、ラスベガスのMGM Grandで大歓声の中、タイトルマッチをやりたいという夢があるので、それをやるにはボクシングかMMAしかない。UFCに行ってチャンピオンになって、現役中に財産残せるくらい死ぬほど稼いで引退して、仕事しないのが夢ですね」と語り、UFCチャンピオンという未だに日本人が誰もなし得ていない壮大な夢を語った。
平本のMMAデビューは一体いつになるのだろうか? 平本は、練習の様子を頻繁にSNSにあげ、自身が日に日に強くなっていることをアピールした。
スタイルをMMAに向けていい感じに変更中
打撃もさらに進化してます
はやくオープンフィンガーグローブでぶっ飛ばしてぇ
MMAで1番面白くてカッコいい試合する pic.twitter.com/OidgRC5dmP— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) June 2, 2020
普通の人なら3年
俺なら半年— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) May 31, 2020
“大晦日の裏メイン” 萩原京平と至極の喧嘩マッチへ
2020年の大晦日、RIZIN.26でついに平本のMMAデビュー戦が決定。対戦相手は、2020年のコロナ禍で最もブレイクした“アンダーグラウンドエンペラー”萩原京平に決まった。萩原は、地下格出身の超攻撃型ファイター。当時、MMA戦績4勝3敗ながら華のある見た目とファイトスタイルでRIZINに4大会連続参戦と波に乗っている。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2020/12/07/42b7c4fde1fed7097c31d959c806dd116d42dade_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
記者会見で、萩原は「対戦相手の平本君。今回がMMAデビュー戦みたいなんで、MMAの厳しさを教えてあげようと思ってるんで、マウントとってヒジでボッコボコにしてやろうと思います」と平本を煽った。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2020/12/02/03bb6df0b5a2b5d02a7a11ea3133d5dac425aa65_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
一方の平本も「なんか楽しみな試合とか言ってたけどふざけんなよ。お前がボコボコにされるだけの試合だからな。勘違いすんなよお前。喧嘩自慢だかなんだか知らないけど、やってきた歴史が違うんで。それはキックだろうがMMAだろうが僕は変わらないんで。平本蓮の強さ存分に見せる試合だと思うんで」と一歩も引かず応戦し、ハイレベルな煽り合いを見せた。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2020/12/02/9a2802e0e32e22f81a1ea4c84355dc57e6099307_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
その後平本は、RIZINの密着番組「Preparation」に登場し、平本の練習風景や家族との会話が配信された。車内でのインタビューでは、RIZIN.25で行われた朝倉未来 vs. 斎藤裕のタイトルマッチについて「つまんねぇ試合してんなって正直っすよ? 思ったし、あれみて喜ぶの朝倉未来ファンぐらいですよ、あと斎藤裕ファンぐらいで」とコメント。さらに「試合がつまんなかった。本当につまんなかったすもん」とこき下ろした。
また、対戦相手の萩原京平に対して「第一話の相手っすね、本当に。アニメで言ったら第一話の相手。別に対抗もないし、ライバルでもなんでもない」と軽侮した。さらに、RIZINでの今後については「『RIZINジャック』すね。全て占領する。全て奪う。RIZIN全て自分が持っていく」と豪語。
この動画でハードルを上げまくった平本と公開処刑と語る萩原の対戦はさらにネットやSNSを中心に盛り上がり、大晦日の「裏メイン」として大注目のカードとなった。
2020年に大ブレイクを果たした萩原vs.K-1での圧倒的な戦績をひっさげMMAに転向した平本の一戦。お互いに全身タトゥーでファイトスタイルはバチバチのストライカー。危険な香りがプンプン漂うマッチアップに、格闘ファンの注目度も日を追うごとに跳ね上がった。
いったい2人の戦いは、どのような結末を迎えるのか? 今ゴングが鳴る!
平本は名前をコールされると、『ガーディアンズオブギャラクシー』の主人公を真似た中指パフォーマンスでさっそく会場を沸かせる。試合は1ラウンド、平本がいきなりパンチできた萩原に高速ワンツーを合わせ、キックボクシングで磨いた打撃を見せる。しかし、萩原はすかさず平本に組みつく。これまで打撃一辺倒だった萩原がはじめてグラウンド戦に平本を引きずりこむ。平本は懸命に立ち上がろうとするも、萩原にグラウンドで支配され逃げられない。さらに萩原は、強烈なヒジとヒザで平本を削る。1ラウンド終盤には、萩原がバックチョークを仕掛けるも、ここは時間切れとなる。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2020/12/31/f475b357e0588751bacfbb93bd6cdf26735e1887_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
試合が決したのは2ラウンド。明らかに疲れの見える平本は、精度を欠いた打撃を見せると、萩原がタックルで組みつき足をすくってテイクダウン。そこから萩原はマウントポジションに移行し、平本にパウンドを浴びせボコボコに。たまらず平本のセコンド陣営からコーナーバトンが入り試合終了となった。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2020/12/31/3aa8a293e22b6f4e83078f3d1f176b48e59e9684_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
平本は、顔を赤く腫らし落胆した表情でリングを後にした。試合後のSNSでは、平本自身がハードルを上げ大口を叩いたこともあり、平本を非難するコメントが殺到。また、試合後インタビューに平本が出なかったこともあって、平本を批判するコメントは後をたたなかった。
平本のMMAデビュー戦は、屈辱的な惨敗に終わり、幻想は打ち砕かれた。しかし、平本は翌日の元旦にTwitterを更新。「一晩経ってみて 俺なら絶対UFCでチャンピオンになれる 絶対にやり返す ごちゃごちゃうるせーやつばっかだな 見とけよ!俺はこっからなんだよ 俺は負けてないこっからだ」と投稿。まだまだ心が折れていないことをアピールした。
一晩経ってみて
俺なら絶対UFCでチャンピオンになれる
絶対にやり返す
ごちゃごちゃうるせーやつばっかだな
見とけよ!俺はこっからなんだよ
俺は負けてないこっからだ— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) December 31, 2020
MMAデビュー戦を白星で飾れなかった平本。しかし、デビュー戦でここまで注目を浴びた選手はいなかっただろう。デビュー戦に関しては朝倉未来を遥かに超える注目度だったことは間違いない。ただ、寝技の攻防ではまだまだMMAに対応できていないことが明らかとなった。平本は、今後MMAファイターとしてどのように変貌していくのだろうか?
平本蓮、アメリカ武者修行編
平本は、敗戦後「アメリカに行きたい」と自身のYouTubeで発言。これに関しては、格闘家の間でも「アメリカに行ったところで強くならない」などさまざまな議論を読んだが、平本は2021年9月に宣言通り渡米。平本は、ミルウォーキーのMMAジム、ルーファスポーツで武者修行を開始した。ルーファスポーツは、キックボクシング世界王者のデューク・ルーファスが創設したジムで、堀口をKOしたセルジオ・ペティスも在籍する強豪ジムだ。
平本は渡米後も積極的にSNSを更新し、「アメリカに来てもうそろそろ1ヶ月 24時間では1日が足りない 時間と歳で死にたくない 格闘技で燃え尽きたい」と投稿するなどアメリカ修行の充実ぶりを発信した。
アメリカに来てもうそろそろ1ヶ月
24時間では1日が足りない
時間と歳で死にたくない
格闘技で燃え尽きたい— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) October 3, 2021
また、平本はジムで教わるだけではなく、自身の打撃スキルも他の格闘家に伝え、ジム内でも一目置かれるようになった。そして、なんとジムの仲間であるセルジオ・ペティスの堀口恭司とのタイトルマッチのセコンドにつくことをSNSで報告。
https://twitter.com/REN_MMA/status/1462556631539933189?s=20&t=BjLvENhhrqBtqtLOUWCoTg
そして、平本は、セルジオのKO勝利に貢献しセコンドとしての役目を見事に果たした。
ビザの関係で12月ごろに帰国した平本だが、一体どれほど進化しているのか、平本の次戦に注目が集まった。
1年3ヶ月を経て再びRIZINのリングへ
ついに平本の次戦が2022年3月に開催されるRIZIN LANDMARK vol.2のメインイベントで決定。気になる対戦相手は、“クレイジーダイヤモンド”鈴木千裕となった。鈴木は、キックボクシング団体KNOCK OUTの現フェザー級王者で、キックとMMAの二刀流を体現する異色のファイターだ。このカードは、お互いにキックで実績のある選手同士でのマッチメイクに。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/02/02/ad333673eea6da3fdda6a329e02300c654668f5e_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
2月の記者会見では、平本が「前フリはもうだいぶTwitterでしてきたと思うので、あとは試合するだけ。マジでサイコーな試合します。楽しみにしといてください」とコメント。対する鈴木は「僕も総合格闘技からキックに行ってキックのチャンピオンになって、MMAにもう一回挑戦して…」とこれまでの自身の経緯を振り返ろうとすると、平本に「話長いからもうちょい短くまとめよう」と割って入られ話を中断。最後は、苦笑いで「じゃあ、最高の試合しましょう! お願いします!」とまとめた。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/02/02/ae0179d75a4b77011ece3ce9a3f78fc45c1fa245_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
アメリカから帰国した平本は、CAVEで元RIZINファイターの石渡伸太郎のもとでトレーニングを積んだ。石渡は、元パンクラス王者であの堀口恭司や、扇久保博正と鎬を削ってきた名ファイターである。石渡は、自身のライブ配信で平本について「確信しています。平本蓮はいずれ日本で一番。それがいつなのかはわからないです。ただ一番になります」と衝撃発言。世界レベルの強豪と渡り合ってきた石渡が言えば説得力が違う。石渡にそこまで言わせるほど、平本にはずば抜けた格闘センスがあることは間違いない。
この試合は、観客をほとんど入れないPPVメインのRIZIN LANDMARKとして開催。平本にとっては、MMA初勝利をかけた一戦となり、デビュー2連敗は許されない。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/03/05/3992437e14b360fded709f0e1ea76f436bdd824a_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
試合は序盤から平本が距離を詰め圧力をかける。しかし、先にパンチを効かせたのは鈴木だった。鈴木は、強引に詰めてくる平本に右ストレートを合わし、平本の腰が落ちる。そこからグランドに持ち込まれた平本は、鈴木の組みに対応できず、パンチやヒザをもらってしまう。2ラウンド以降は、鈴木が組みに転じ終始平本をコントロールし続けた。
結果は判定へ。判定は0-3のフルマークで平本の判定負け、MMA2連敗となった。顔面を大きく腫らした平本はマイクを握ると「負けました。けど負けてないっす。またすぐやります。死ぬ気でやってきたので今日は後悔ないっす。絶対這い上がるっす。これからの試合で見せていきます」とコメントし、涙を浮かべながらリングを後にした。
試合後には、たびたび舌戦を繰り広げる朝倉未来がTwitterで反応し、「まーこんなもんよ まだまだ話にならんな」とツイート。記者からこのツイートについて問われた平本は、「どうも思わないっす。俺のほうが絶対に強いと思うので。どんどん試合してRIZINの頂点を取ります。絶対あきらめないです」と強気な発言をやめなかった。
まーこんなもんよ
まだまだ話にならんな
— 朝倉未来 Mikuru Asakura (@MikuruAsakura) March 6, 2022
試合後のインタビューでは、かなり試合勘が空いたことについて「正直試合になってみて、別物だとは練習していて分かっていたのですけど、本当に自分に足りないものは、総合格闘技の試合の経験だと思うので、それが今日はっきりすごく分かったから、どんどんもっと試合して、こんなんで退いてられないので、どんどんRIZIN出てどんどん試合していこうと思っています。」と話した。
2022年はコンスタントに試合をしていくことを明言した平本。今年中にMMA初勝利をあげることはできるのだろうか。
常夏の沖縄でRIZIN初勝利へ!
平本の3戦目はRIZIN.36沖縄大会で決まった。対戦相手は「怪物くん」こと鈴木博昭に決定。鈴木は、元SBスーパーライト級王者で2021年にMMAデビューした37歳のオールドルーキー。MMAでは3戦のキャリアを持ち、元プロレスラーの奥田啓介や昇侍に勝利した一方で、萩原京平には敗北を喫している。鈴木は、バチバチのストライカーで、相手を効かせれば一気に試合を終わらせるフィニッシュ力をもつ危険な相手だ。
沖縄で行われた記者会見で、平本は「僕は生まれ変わりました。もう人の悪口は言いません。次の試合は正々堂々と闘いたいと思います。今まで散々悪口言って、ちょっと良くないなと思っちゃって、今日はだからあんま言いません。生まれ変わった所を見せます!」とまさかの“脱・悪口宣言”を行い得意のトラッシュトークを封印した。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/06/01/c41119beb66d165d168226e603c45c394e4c6d01_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
一方の鈴木は、「お互い絶対に負けたくないし勝ち星も欲しいと思うので、そんな夢の喰い合いを皆さんに届けて、心を打ち震えさせたいなと思っております。そんな喰い合いを楽しみにしていてください!」と気合の入ったコメントを残した。
デビューから2連敗と初っ端から正念場を迎えている平本は、2019年以来の勝利を手にすることはできるのだろうか?
試合開始。平本はキレのあるワンツーとミドルキックを繰り出し、先手をとる。一方の鈴木は、タックルに入り平本からテイクダウンを狙う。しかし、平本はテイクダウンディフェンスで持ち堪え、テイクダウンを許さない。その後もしつこくテイクダウンを狙う鈴木だったが、平本をマットにつけることはできなかった。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/07/02/29bd678b69af3be520a2c7dde90c6a42dba1d719_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
2ラウンド以降は、ストライカー同士のハイレベルな打撃戦となった。平本が鋭いワンツーや三日月蹴りを入れれば、鈴木も左フックを合わせて応戦。3ラウンドには、平本が鈴木のボディにヒザ蹴りを叩き込夢など見せ場を作ったが、両者の実力が拮抗したゲームとなった。
判定は、平本、鈴木と割れたが、最後のジャッジが平本を支持し、判定2-1で平本の勝利! 平本は、MMA3戦目で待望の白星を手にした。リング上でマイクを握った平本は、「MMA甘くないからね、鈴木くん。アマチュア修斗からやり直した方がいいよ。武尊vs天心が終わって、朝倉兄弟が終わって、今日から平本蓮の時代です」とコメントし、沖縄のメインイベントを締めた。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/07/02/c196354f2e2a2a3b20b47c0ce54198cede6a3f73.jpg(RIZIN公式HPより引用)
ついにMMA初勝利を手にした平本。しかし、「UFC王者」になると豪語する24歳の挑戦はまだ始まったばかりである。今後彼どのようにこの壮大な目標に進んでいくのか。
平本蓮の知りたいトコ!
平本蓮のタトゥーは?
平本蓮と言えば、体の全身に入ったタトゥーが印象的だろう。K-1ではタトゥー禁止だが、RIZINではタトゥーを見せて試合をすることが許されている。
※画像URL:https://moet-678.com/wp-content/uploads/2021/01/IMG_0307.jpg(moet-678.comより引用)
では、平本の体にはどのようなタトゥーが入っているのだろうか?
※画像URL:https://gonkaku.jp/system/images/attachments/000/085/914/medium/image-1656647340.jpg?1656647340(ゴング格闘技より引用)
まず、顔には「美」の文字が入っている。これは、母親の名前から取ったもので母への愛の深さを表している。そして、胸には平本蓮を象徴する虎とドクロのタトゥーが施されている。このタトゥーは人気彫師の美漸(@bizentattoo)氏が彫った作品とされる。また、背中には大迫力の石川五右衛門が彫られているが、まだ完成ではないようだ。
※引用元URL:https://twitter.com/REN_MMA/status/1443773398224556035?s=20&t=ZsxBQicEfGAzuBdisUSu0w(平本蓮本人のツイートより引用)
さらに左腕には、蓮の花と蛇が入ったタトゥーと「K-RIVER」と入ったタトゥーがあり、平本が最初に入ったジムの名前のようだ。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/03/05/7bbd67a73048a8126c9fe1f6918f70b1e5f88f01_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
また、左腕の裏には、平本が尊敬する歌手の甲本ヒロトが彫られている。右腕にはダイヤモンドに炎をあしらったタトゥーがあり、これは「K-RIVER」のロゴのようだ。ワンピースの人気キャラクターであるポートガス・D・エースのタトゥーも入っている。
平本は、自身のインスタライブで「顔にタトゥーはやりすぎ」というコメントに対し、「一般人だったらあの人ちょっと怖いかなと思うけど、俺あくまで平本蓮ていう生き方をみんなに提供しているわけなんで、自分にとって欲しいなと思ったんで入れました」と持論を展開している。
今後、平本のタトゥーがどのように増えていくかにも注目だ。
格闘家以外にも、武井壮とも舌戦!?
リングの外でも話題に事欠かない平本は、Twitterで格闘家たちとトラッシュトークを繰り広げる。平本は、朝倉未来をはじめ、皇治や太田忍、白川陸斗など数々のファイターに噛み付いてきた。
しかし、平本が噛み付くのは格闘家だけではない。平本はタレントの武井壮ともTwitterでやり合っている。武井壮との発端は、武井がライブ配信で「日本の全アスリートが全員格闘技始めたら、今のチャンピオン全員変わると思うぜ」と話したことである。このことについて意見を求められた平本は、「運動神経が良くてスポーツはできても、真っ向からファイトできる勇敢な人は少ないと思う。誰にでも格闘技の技術は身につけられるけどファイトする気持ちは生まれ持った才能でしかないと思う」とTwitterで反論。さらに、「とりあえず武井壮は黙って偉い奴の靴の裏舐めとけばいいんだよ」と切り捨てた。
その後、武井はTwitterで平本をブロックしている。
とりあえず武井壮は黙って偉い奴の靴の裏舐めとけばいいんだよ
— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) January 11, 2022
K-1時代のゲーオ戦などのファイトマネーを公開!
平本蓮は、鈴木博昭戦後にK-1時代のファイトマネーについてTwitterで暴露している。あのゲーオに日本人で初めてKO勝ちしたK’FESTAでの一戦のファイトマネーはなんと45万円。さらに、そこから3割引かれるようなので実質31万円ほどのようだ。また、激闘となった木村ミノル戦は、10万円と衝撃の暴露を続けた。格闘家には、ファイトパンツにスポンサーがつくため、プラスアルファはあると考えられるが、平本ほど名を挙げてもファイトマネーだけで食べていくことは極めて難しいのだろう。
ゲーオ戦で45万かな、そっから3割引かれるからクッソ安いよね https://t.co/IjvGoUWraW
— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) July 9, 2022
デビュー戦五万円かな、木村ミノル戦で10万円
それでも当時戦って手に入れたそのお金の価値はデカかった
1日で消えたけど https://t.co/G1o4iNqnyO— 平本蓮 REN HIRAMOTO(24) (@REN_MMA) July 9, 2022
さらにRIZINデビュー戦となった芦田戦について聞かれると、「100😂」と回答している。
https://twitter.com/REN_MMA/status/1545823077724229633?s=20&t=V3vP7pJv23UZcHCtGsHfug
まとめ
これまで平本蓮のストーリーを振り返ってきたが、いかがだっただろうか?
天才キックボクサーとして名をあげた平本は、アマチュア時代にあの那須川天心にも勝利している。高校生からK-1に参戦すると、ゴンナパーやゲーオに勝利する快進撃をみせ、ベルト戴冠こそならなかったものの、絶大なインパクトを残した。
しかし、平本はK-1でのスターの道を捨て、RIZINでのMMA転向を発表。そして、K-1時代の好青年キャラからも脱却した無冠の帝王は、ビッグマウスと派手な言動で格闘技界切手の注目の存在に。“アンダーグラウンドエンペラー”萩原京平とのMMAデビュー戦は、他のカードを圧倒する盛り上がりを見せた。
まだMMA初勝利をあげたばかりの平本だが、トップ選手以上の影響力を持っていることは間違いないだろう。平本は、今後も格闘技界に風穴を開け続け、「UFC王者」に向けたチャンピオンロードを駆け上がっていくのだろう。
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2020/12/31/34b643d112f8bc3945250a0806703444360b7043_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
今後も異色の輝きを放ち、唯我独尊の道を行く平本から目が離せない。
※アイキャッチはRIZINの公式HPより引用