2月5日にアメリカ・ラスベガスで行われる「UFC Fight Night:Lewis vs. Spivac」で、“令和のワンダーボーイ”こと木下憂朔がウェルター級でUFCデビューを飾る。
木下は、MMA戦績6勝1敗の22歳。2020年11月にPANCRASEでプロデビューすると、そこから圧倒的な強さで4連勝。2021年には「RIZIN TRIGGER 1st」にも出場を果たし、DEEP王者だった住村竜市朗を踏みつけでKOしたが、踏みつけの際に金網を握っていたのが反則とみなされ、結果は反則負けとなっている。当時の躊躇ない木下の踏みつけは、観る者を震撼させ、その記憶に深く刻まれたことだろう。
そして、昨年8月に行われた「DWCS(Dana White’s Contender Series)」で木下は、ブラジルのホセ・エンリケ・ソウザを劇的な3RKOで撃破し、UFCとの契約を勝ち取っている。UFC代表のダナ・ホワイトは、「UFCが唯一、長いこと失っていたものは何か? それは日本のスター。この子はとても才能にあふれていて、まさしくその存在」と木下を高く評価した。
そんな木下のUFCデビュー戦の相手となるのは、アメリカ出身のアダム・フューギット(34)。ヒューギットは、若い木下とは反対に、33歳でUFCとの契約を勝ち取った“オールドルーキー”で、MMA戦績8勝3敗。ムエタイをバックボーンにするヒューギットは、蹴りを主体に試合を組み立てるファイトスタイルだ。昨年7月に「UFC 277」でUFCデビューを飾ったヒューギットだが、マイケル・モラレスに敗れている。
さて、UFCデビュー戦にも関わらず、メインカードでの出場となる木下は、今どのような心境なのだろうか。以下では、木下の試合前インタビューを意訳してまとめていこう。
・今の気持ちをお願いします
「いよいよ来たなって感じですね」
・「DWCS」を振り返ってみてどうか?
「UFC目指して格闘技して、契約かけた試合でああいう勝ち方できたっていうのは、自分の人生においてもめちゃくちゃ良かった日でした」
・韓国大会からラスベガスに変わったことに対してがっかりすることや印象としてはどうか?
「やっぱり観客入ってるほうが嬉しいんで、生で盛り上がってる人を見たかったな感じですかね」
・残り数日でいよいよUFCデビューだが、改めて今の心境を
「ワクワクしてるの同時に、やっと始まるなって気がするんで、そこですかね」
・メインカードのキックオフカードになったが、UFCからの注目度も高いが対戦に向けてどうか?
「やっぱ、前のコンテンダーシリーズの結果を見てのこの試合順だと思うので、期待以上のフィニッシュをしたいなと思います」
・どうやって勝ちましょうか?
「ノックアウト、オンリー! オンリー!」
・今後のキャリアのイメージは?
「やっぱり日本人が誰も成し遂げていない記録だったり、インパクトのある試合を残していきたいと思っています」
・日本人の昔の選手と今の選手を比較するとどうか?
「そういうのはあまり考えないタイプで、昔はすごかったで今の僕らがもっとすごいよっていうのをみせたいですね」
以上が木下の質疑応答のまとめである。木下は、やや落ち着かない様子だったが、いつもの茶目っ気もあり、堂々のノックアウト宣言もしてみせた。海外のブックメーカーのサイトを見ると、本日15時時点で概ね「木下憂朔 1.3倍 / アダム・ヒューギット 3.5倍」となっており、木下優勢の見方が強いようだ。
木下は、KOでUFCデビューを飾り、またもダナ・ホワイトを唸らせることができるだろうか? 明日のデビュー戦が待ちきれない。
※アイキャッチはUFC Japan 公式YouTubeより引用