浅倉カンナの選手紹介 〜“純情可憐タックル女子”のすべて〜

MMAの舞台で、その純情な見た目からは想像できないほど強烈なタックルを決めまくり、勝利を量産する女性ファイターがいる。

彼女の名は”浅倉カンナ”。“純情可憐タックル女子”という異名を持つ浅倉は、高校生の頃からRIZINのリングに上がり、女子格闘技界の第一線で活躍してきた。

自他ともに認めるRIZINのエースへと上り詰めた浅倉だが、彼女の歩んできた道のりは、決して平坦ではなかった。過去には、「レスリングに挫折した経験」があれば、「MMAのリング上で打ちのめされた経験」もある。浅倉の人生の舞台裏には、数多くの悔し涙が隠されているのだ。

今回の記事では、浅倉の生い立ちから、格闘家としての歩み、そして今後の展望について詳しく紹介する。

画像2: 入場
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2021/03/21/39a5a580a6729ab550cc643fdabdb3c40a72768a_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

それでは、まずはプロフィールから見ていこう。

浅倉カンナのプロフィール

名前 : 浅倉カンナ

生年月日 : 1997年10月12日

出身地 : 千葉県柏市

身長 : 158cm

体重 : 49.0kg

戦績 : 25戦 19勝(1KO) 6敗

階級 : アトム級

所属 : パラエストラ松戸

獲得タイトル : なし

入場曲 : ハピネス

バックボーン : レスリング・ブラジリアン柔術

公式HP : KANNA ASAKURA OFFICIAL WEB SITE

Twitter : 浅倉カンナ

Instagram : 浅倉カンナ

YouTube : 浅倉カンナ

アパレル : −

ファンクラブ : −

エリートレスラーから、総合格闘家へ

父親に鍛えられた少女は、レスリングエリートに

千葉県柏市に生まれた浅倉。小学校に入ると同時にレスリングを始め、父親の厳しい指導のもと、練習に励んでいた。毎朝のランニングや坂道ダッシュ、公園での懸垂を欠かさず行い、小学校3年生の頃にはレスリング全国2位にまで輝いた。

小学校高学年、中学入学以降も全国上位入賞の結果を残し続けた浅倉は、中学卒業後、レスリングの名門・山梨県立韮崎工業高校へと進学する。すると、高校1年生にして全国インターハイ3位の実績を残し、浅倉のレスリング人生の未来は明るいと思われていた。

しかし、試練は突然に訪れる。高校のレスリング部のコーチとの折り合いが悪くなった浅倉は、高校中退を余儀なくされてしまったのだ。そして中退と同時に、レスリングを辞めることを決意。明るかった未来は、突然に暗闇へと変化し、浅倉は失意のどん底に落とされてしまった。

そんな辛い日々を送る浅倉だったが、ある日、RENAが出場している格闘技の試合を目にした。レスリングでは見たことないような、総合格闘技特有の豪快な戦いぶりに浅倉の心は次第に奪われていく。「MMAに挑戦してみたい」という気持ちが高まり、ファイターとしての炎が再燃した浅倉は、総合格闘技の練習を始めることになる。

その後は新しい高校にも編入し、多忙な生活を送っていた浅倉だが、MMAの技術は凄まじいスピードで伸びていった。そして17歳の時に、ついに念願のプロデビューを果たす。

女子高生ファイターの躍動

総合格闘技団体「VTJ」の舞台に参戦した浅倉は、デビュー戦で見事に判定勝利を収め、最初の一歩を踏み出す。デビュー2戦目でもチョークスリーパーで一本勝ちを収め、波に乗った浅倉は3戦目に強敵を迎える。その相手は、元ヴァルキリーフライ級王者・玉田育子。玉田は、数々のトップ選手に勝利した実績やトーナメントでの優勝経験もあるベテランファイター。まだ無名だった浅倉では、玉田には歯が立たないだろうと誰もが思っていた。

しかし、試合は予想外の結末を迎える。浅倉はレスリング仕込みのテイクダウン能力を存分に発揮し、玉田から大金星を上げてみせたのだ。大器の片鱗を見せつけた浅倉は、デビュー以降、怒涛の3連勝。新進気鋭の女子高生ファイターとして、世間から注目を浴びるようになった。

その後は、浅倉は戦いの舞台を修斗、パンクラスに移した。デビュー4戦目のパンクラスの試合で朱里に初黒星を喫するも、その後は修斗で檜山美樹子、DEEPでホン・ユンハを下し2連勝。女子高生ファイター・浅倉の活躍に、ファンの期待は日に日に高まっていった。そして、浅倉のもとに、ついにRIZINへの切符が届く。ここから、浅倉の格闘技人生のメインストーリーが幕を開ける。

RIZIN参戦後の戦い

世界への挑戦

浅倉のRIZINデビュー戦の相手は、アリーシャ・ガルシアに決まった。ガルシアは、アマチュア時代に無敗の実績を誇る実力者。元UFCヘビー級王者であるジョシュ・バーネットに弟子入りしている、まさに世界クラスのファイターだ。

“日本最強の女子高校生”と呼ばれていた浅倉と、強敵・ガルシアの一戦に大きな注目が集まる。幕を開けた試合は、終始ガルシアのペースで進んだ。浅倉がタックルを仕掛けるも、ガルシアはそれを受け止め、さらにコーナまで押し返す。ガルシアの放つ膝蹴りに体力を奪われ続けた浅倉は、反撃の糸口を掴めないまま、試合が終了。3-0の判定で、ガルシアの完勝だった。

試合後の浅倉は「負けて悔しいです。相手が思った以上に力が強かった。次の試合は勝てるように一から頑張ります」と語り、成長を誓った。

「まだRIZINでは通用しない」ガルシアとの戦いでそう悟った浅倉は、更なる練習に励み、再びリングに戻ることになる。2017年4月、アレクサンドラ・トンシェバを破ると、同年8月、石岡沙織と対戦し、見事に判定勝ちを収める。この勝利によって、浅倉はRIZIN女子スーパーアトム級トーナメントの出場権を獲得した。

運命のトーナメントへ

2017年10月、浅倉のトーナメントの1回戦の相手は、シルビア・ユスケビッチに決まった。ユスケビッチは、ヨーロッパで絶大な人気を誇るポーランドの女子格闘技団体「レイディーズ・ファイトナイト」で実績を上げてきたファイター。破壊力のある打撃に定評があり、ファイトナイトでもランキング1位の座を守っていた。

浅倉にとって初のトーナメント参戦。その一回戦のゴングが鳴る。1ラウンド、序盤はお互いが距離をとって牽制していたが、中盤以降、果敢に浅倉がタックルを仕掛ける。2度目のタックルでテイクダウンを奪うと、マウントを取り、ユスケビッチのボディにパウンドを浴びせる。浅倉が試合のペースを握ったまま、1ラウンドが終了。

2ラウンド、さらに浅倉が攻勢に出る。左フックをユスケビッチにヒットさせると、そのままテイクダウン。体重の乗った強力なパウンドの雨を降らせ、ユスケビッチの顔には血が流れる。浅倉の圧倒的な攻撃が続くもKOまでは至らず、2ラウンドが終了。

最終3ラウンド、開始のゴングと同時に浅倉がタックルを仕掛ける。勝利のためには得意の打撃に活路を見出すしかないユスケビッチも、グラウンドの展開が続き、攻勢に出られない。浅倉は、その後チョークを仕掛け、隙があればパウンドを連打。ユスケビッチが防戦一方のまま、試合が終了した。

画像2: 優勝候補と言われたユスケビッチに浅倉が完勝!!
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2017/10/15/fdd56533566c701dba6dff4bfa41b332e6a579a3_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

判定は、3-0で浅倉の勝利! 浅倉は準決勝へと駒を進めた。試合後、浅倉は「本当は一本で勝ちたかったけど悔しいです。でも1回戦突破できたのでよかった。応援、ありがとうございました」と語り、反省と喜びを口にした。

準決勝の相手は、ガルシアを破ったファイター

2017年の大晦日、トーナメント準決勝の相手はマリア・オリベイラに決まった。オリベイラは、アリーシャ・ガルシアを1回戦で下し、勝ち上がってきた選手。浅倉はガルシア相手に完敗を喫していただけに、オリベイラには苦戦を強いられるだろうと予想されていた。

試合前、浅倉は「今回はけっこう練習してきたので、練習量が自信になっている。あとは試合をするだけです」と淡々と語り、自信をのぞかせていた。

決勝進出をかけた運命の一戦が始まる。1ラウンド、サウスポーに構える浅倉に対して、オリベイラは長いリーチを活かして右ミドル、インローを放つ。序盤はオリベイラの体格の大きさに圧倒されていた浅倉だったが、徐々に試合のペースを掴み始める。浅倉は両足タックルでオリベイラを持ち上げると、そのままテイクダウン。マウントポジションから烈なパウンドを浴びせ、さらにアームロック、腕十字を極めにかかる。しかし、これは極まらず、そのまま1ラウンドが終了。

2ラウンド、戦前にオリベイラ優勢と予想されていたことを微塵も感じさせない戦いを浅倉は見せる。1ラウンド同様に、タックルを決めてテイクダウンに成功した浅倉は、オリベイラのボディと顔面にパウンドを打ち込んでいく。そして浅倉は腕十字で仕留めにかかり、オリベイラがたまらずタップ。

画像6: 「浅倉がオリベイラを完封一本勝ち!! 決勝は日本人対決に!!」
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2020/06/16/4aad15ac75fdd7e638db291793c502815988e3bc_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

浅倉が2ラウンド途中一本勝ちの番狂わせを起こし、決勝戦へと駒を進めた。試合後、浅倉は「この調子で優勝まで突っ走っていくので、決勝戦楽しみにしていて下さい」と意気込みを語った。そして、決勝の相手は、憧れのあの選手だった。

最高の舞台で、憧れとの一戦へ

準決勝と同日に行われる決勝戦の相手は、RENAに決まった。2007年にプロデビューしたRENAは、かつてのシュートボクシングの祭典「Girls S-cup」で2連覇を果たした絶対女王。RIZIN参戦後も6連勝中と、トーナメント優勝候補の筆頭だ。そして何より、RENAは浅倉が格闘技を始めるきっかけになった憧れの選手だ。

一世一代の決勝戦がいざ幕を開ける。1ラウンド、リング中央を取ったのはRENA。サウスポースタイルの浅倉は、打撃を警戒してRENAとの距離を取る。RENAは圧力をかけて、左右のストレートを放つが、浅倉は打撃戦には決して付き合わず、何度もタックルを繰り返す。

激戦が予想された試合は、意外にも、早々と終焉を迎える。ラウンド中盤、ついに浅倉の強烈な両足タックルが炸裂し、そのままRENAからテイクダウンを奪う。RENAも立ち上がろうとするが、浅倉がそれを抑えつける。そして、浅倉が得意のバックチョークで一気に仕留めにかかる。女王としての意地を見せたいRENAは、最後まで抵抗し、タップはしない。しかし、そのままRENAは失神。浅倉が1ラウンドで見事に勝負を決め、トーナメントの優勝を飾ったのだ。

試合後の浅倉は、喜びのあまり涙を堪えきれずにいた。直後のインタビューでは「本当にRIZINのベルトを巻けて嬉しい。RENAさんと、こうして大晦日に戦えてよかったです。これからも突っ走っていけたらと思います」と語り、トーナメントは浅倉の優勝で幕を閉じた。

初のタイトルマッチへ

2018年の大晦日、浅倉のRIZIN女子スーパーアトム級初代王座決定戦への出場が決まった。その対戦相手は、浜崎朱加。浜崎は、世界最大の女子のMMA団体「Invicta FC」で活躍し、日本人初の世界王座獲得を成し遂げたファイター。RIZIN移籍後も、アリーシャ・ガルシアやDEEPアトム級王者・黒部三奈に対して圧勝し、世界王者の貫禄を見せつけていた。

試合前、浅倉は「RENAさんを倒したからこそ、もっと強い選手と戦わないといけない」と語り、さらなる強敵・浜崎との戦いに覚悟を決めていた。浜崎自身も、現在8連勝と勢いに乗る浅倉を警戒しており、まさにタイトルマッチにふさわしい対戦カードが実現していた。

実力者同士の一戦が幕を開ける。1ラウンド、打撃を得意とする浜崎が、積極的にパンチを放っていく。浅倉は得意のタックルを仕掛けるが、浜崎は浅倉をことごとく投げ返し、攻撃の芽を摘んでいく。さらに浜崎は、左右に構えを変えながら浅倉に圧力をかけ、フックやストレートを放つ。その後は大きな展開はなく、1ラウンド終了。

2ラウンド、やはり世界王者・浜崎は強かった。浜崎がリズム良くジャブ、ロー、ハイキックを繰り出すと、浅倉は防戦一方に。そして、ラウンド終盤、浜崎が浅倉からテイクダウンを奪うと、そのまま腕十字の体勢へ。浅倉は回転して逃れようとするが、浜崎は浅倉の抵抗を完璧に封じ、そのまま腕を伸ばす。浅倉はたまらずタップし、試合は終了。浜崎の圧倒的な実力を前に、浅倉は完敗を喫した。

涙を流した浅倉は試合後、「本当に浜崎さんが強くて、打撃も寝技も敵わなかった。改めて世界のレベルの強さを実感しました」と語り、自身の実力不足を認めた。王座獲得とはならなかった浅倉だが、果たして、王座へ挑戦する日はまたやってくるのだろうか。

再スタート、再び頂点を目指して

再び頂点を目指す決意を固めた浅倉は、2019年3月、DEEP JEWELSアトム級王者の前澤智と対戦し、フルマークで判定勝利を収める。同年12月の試合では、アメリカの老舗MMA団体「KOTC」のアトム級チャンピオンに君臨していたジェイミー・ヒンショーと対戦。浜崎に勝るとも劣らない実力を持つヒンショー相手に浅倉は、再三の低空タックルを仕掛け、テイクダウンを奪う。結果的に、3ラウンド途中でアームロックを極め、浅倉が見事にKO勝利を収めた。

その後、2020年8月の試合では、古瀬美月に1ラウンドKOで圧勝する。さらに大晦日には、同じレスリングをバックボーンに持つ、あいにも判定で勝利し、浜崎に敗北後は意地のRIZIN 4連勝。浅倉は、誰の目にも明らかに、その成長を見せていた。そして、満を持して、浅倉は再びタイトルマッチのリングへと舞い戻ってくる。

2度目のタイトルマッチへ

2021年3月、浅倉にとって2度目のRIZINアトム級タイトルマッチへの参戦が決まった。その相手は、絶対的王者・浜崎朱加。2年前の対戦で浜崎に圧倒的な実力差を見せつけられた浅倉は、その差を埋めるべく、一から技術・体力を磨いてきた。

初の王座獲得を成し遂げたい浅倉は試合前、「浜崎さんのほうが強いと思っている人も多いですけど、全てをひっくり返して、次はベルトを巻きます」と下克上を誓っていた。

浜崎へのリベンジを果たすべく、浅倉の2度目のタイトルマッチ挑戦が幕を開ける。1ラウンド早々、浅倉の出鼻を挫くように、浜崎の猛攻が牙を剥く。浜崎は左ストレート、右フックをとめどなく放ち、浅倉に攻撃のチャンスを与えない。そして、浜崎は浅倉からテイクダウンを奪うと、すぐさまヒザを入れ、ダメージを与える。しかし浅倉も何とか立ち上がると、そのまま浜崎を持ち上げ、リングに叩きつける。その後、浅倉はローを主体に攻撃を当て、試合のペースを掴み始める。ラウンド終盤、浅倉は左ストレートを浜崎の顔面にヒットさせるが、ここで1ラウンド終了。

2ラウンド、浜崎がさらに圧力を強める。前に出て距離を詰めてくる浜崎は、浅倉からテイクダウンを奪うと、そのままアームロックへ。しかし、浅倉は抜け出し、そのままマウントポジションを取ると、浜崎に強烈なパウンドを見舞う。浜崎は浅倉を蹴って距離を作るも、さらに浅倉はタックルを仕掛け、浜崎をロープ際まで押し込む。両者攻め合う展開が続き、2ラウンドが終了。

最終3ラウンド、ここまで互角の展開が続く両者は、さらに距離を詰めて壮絶な打ち合いを演じてみせる。浅倉が左ストレートを当てれば、浜崎が負けじと右ストレートをヒット。王座の奪還に挑む浅倉と、王座を死守する浜崎の一戦は、終了のゴングが鳴るまで激しい打ち合いが繰り広げられた。そして、決着は運命の判定へと委ねられることに。

判定は浜崎、浅倉に1票ずつ入る。しかし、最後の票は浜崎に入り、2-1の判定で浅倉は敗北を喫した。試合後、浅倉は「今回は本当にベルトを取れると思ってやって来た。ここまで練習を追い込めたのも浜崎さんが相手だったからだと思います」と語り、浜崎への感謝を述べた。浜崎自身も「前とは比べ物にならないほど浅倉は強くなっていた」と語っており、成長を認めていた。浜崎に2度目の敗北を喫した浅倉だが、彼女は果たしてこの挫折を乗り越え、復活することができるのだろうか。

次なる相手はDEEP王者

2021年大晦日、浅倉と大島沙緒里の対戦カードが決定した。柔道をバックボーンに持つ大島は、極めの強さを武器に、わずか4試合でDEEPミクロ級の王座を獲得した選手。その後も、DEEPアトム級との二冠を達成し、満を持してRIZINへ初参戦を決めた。そんな相手を前にしていた浅倉は、試合前「しっかりと打撃を強化してきた。今回は“喧嘩”がしたい」と語り、激戦を期待させていた。

いざ試合が始まると、大島優位の展開が続いた。1ラウンド、大島は柔道仕込みの大内刈りでテイクダウンを奪うと、そのままパウンドを放つ。浅倉も何とか抜け出すが、その後も再三大島に倒されて、不利なポジションを強いられる。アームロック、腕十字など、関節技を次々と狙う大島の攻撃を浅倉は凌ぎ続ける展開が続き、1ラウンドが終了。

2ラウンドも、大島の優勢は続く。浅倉は大島の柔道技に太刀打ちできず、小内刈りからのテイクダウンを許す。その後、大島にヒザ十字、足関節技を狙われるも、浅倉は抵抗を続け、試合は最終3ラウンドへ。

最終ラウンド、ついに浅倉が攻勢に出る。徐々に疲れが見え始めた大島に対して、浅倉はタックルを仕掛け、そのままマウントポジションを取る。それまでの劣勢を跳ね返すかのように、強烈なパウンドを見舞い、一気に仕留めにかかるが、大島も下から顔面蹴りを入れる。最後はパウンドに来る浅倉を、大島が下から固めたまま、大きな展開がなく試合が終了。

判定は2-1と僅差だったが、大島に軍配が上がった。試合後、浅倉は「大島選手が強くて負けを認めています。パワーがあったので、結構苦戦しました」と涙ながらに語り、大島の実力を認めつつ、隠しきれない悔しさをその表情に滲ませた。

修斗王者との一戦

2022年4月、浅倉はSARAMIと対戦が決まった。SARAMIはDEEP JEWELSやRoad FC、PXCなど様々な団体で経験を積んできた10年目のベテランファイター。前年に、黒部三奈とのタイトルマッチを制し、念願の修斗世界王者にも輝いている。浅倉は現在2連敗中で後がない状況。この試合は浅倉にとって、是が非でも勝利を掴み取りたい一戦だ。

試合前、浅倉は「2連敗の中、自分の強さを試せる相手なのでチャンスだと思っています。やってやるぞという気持ちです」と高い意欲を表した。

1ラウンド、リング中央を取ったSARAMIに対し、浅倉は得意のタックルを仕掛ける。SARAMIをコーナーまで押し込んだ浅倉は、そのままSARAMIを持ち上げてテイクダウンを奪う。しかし、SARAMIも浅倉にアームロックを狙うが、浅倉はそれを極めさせない。ここで1ラウンドが終了。

2ラウンド、両者の打ち合いの後、浅倉はSARAMIからテイクダウンを取り、さらにパンチとヒジ打ちでダメージを蓄積させる。しかし、SARAMIも抵抗を見せ、腕十字を狙う。極まりはしなかったものの、SARAMIはさらに足を絡めて浅倉を倒す。足関節技をSARAMIが仕掛けようとしたところで、2ラウンドが終了した。


※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/04/17/f6cbbe80c77bf35ce37f0fb995c99dd8e37cd19e_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

最終3ラウンド、それまで同様、浅倉が効果的にタックルを仕掛け、SARAMIには試合の主導権を握らせない。浅倉が体勢を崩す瞬間もあったが、終始SARAMIをコーナへ押し込み、危なげない試合運びを見せる。最後は浅倉とSARAMIが打ち合いを見せ、試合は終了。

判定へともつれ込んだが、結果は3-0で浅倉の勝利。試合後、マイクを持った浅倉は「2連敗でしんどいことも沢山あったんですけど、ジムのみんなが一緒に練習してくれて、家族が応援してくれて、ファンの方の声が本当にパワーになりました」と喜びを口にした。

画像9: ROUND 3
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/04/17/39f03c20e12fea41f54834aa3d9254b3c7487a18_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

浅倉は若くしてRIZINの看板を背負うエースだ。時には敗北することもあるが、浅倉の強敵へ挑む姿勢、そして健闘ぶりに、多くのファンが勇気をもらってきた。

そして何より、24歳の浅倉は言うまでもなく、更なる成長の余地があるファイターだ。彼女が順調に実力を伸ばしていった先に辿り着く場所は、日本の頂点だろうか。いや、もっと上ではないだろうか。激しい練習に汗を流す浅倉は、また今日も成長の階段を登っている。そんな浅倉の今後の活躍に目が離せない。

浅倉カンナの知りたいトコ!

彼氏はいるの?

公式な情報ではないですが、現在、浅倉に彼氏はいないとされています。有名な話ですが、以前浅倉は那須川天心と付き合っていました。2人とも同じ千葉県の出身で、格闘家同士、理解しあえる仲だったそう。しかし、多忙を極める2人の間には、徐々にすれ違いがおき、約2年で破局してしまいました。

父親が強面すぎる?

「浅倉カンナの父親が強面すぎる」と、一時話題になりました。父が幼少期の浅倉にレスリングを教えたそうですが、その風貌から、厳しいトレーニングが容易に想像できます。実際、浅倉自身も父の指導が厳しすぎて、父を嫌いになった時期もあったという。しかし、今では格闘技のアドバイスをもらったり、悩みを相談し合ったりする仲の良い親子になった。

芸能人の平祐奈、福原遥と仲良し!?

浅倉は、もしもツアーズの番組で平祐奈、福原遥と共演し、仲を深めている。3人でドライブに行くことなども約束しているという。

まとめ

浅倉は幼少期にレスリングエリートとして活躍した後、総合格闘技の舞台で「女子高生ファイター」として躍動した。戦いの場をRIZINに移してからは、トーナメントでは優勝こそしたものの、世界の壁の高さを痛感することもあった。特に、タイトルマッチでの2連敗を喫した今は、浅倉は真価を問われる状況にいると言っても過言ではない。

2022年からは、RIZIN女子スーパーアトム級グランプリが開催される。それには浜崎やRENAだけでなく、海外の猛者たちも参戦する。群雄割拠の女子スーパーアトム級を制するのは一体、誰なのか。浅倉の新たな挑戦が、間も無く、幕を開ける。

画像1: 入場
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2022/04/17/684ad18ea7631ba60e8762adea3a6fdb3d8c27d4_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

※アイキャッチはRIZINの公式HPより引用