【技術解説】ヴォルカノフスキーの左ストレートがマカチェフを捉えた理由

  • 2023年2月18日
  • 2023年2月18日
  • コラム

2023年2月11日(日)に行われた「UFC 284: Makhachev vs. Volkanovski」のメインイベント、イスラム・マカチェフとアレクサンダー・ヴォルカノフスキーの試合について解説します。

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※この記事のGIFの抜粋元:UFC FIGHT PASS(外部リンク)

この試合、1Rにヴォルカノフスキーのパンチがマカチェフをぐらつかせるシーンがありました。ヴォルカノフスキーのパンチがなぜマカチェフに当たったのかを解説していきます。

解説

まずはマカチェフがパンチを回避したこのシーンから。ヴォルカノフスキーの右ストレートに反応したマカチェフが、バックステップで回避して、その後に続くパンチも回避することに成功しています。ステップで距離を取って回避するというのはMMAでよくあるシーンです。しかし、ヴォルカノフスキーは、このバックステップに対してスイッチしながらのステップインでを用意してました。それが次のシーン。

このシーンは1枚目のシーンのおよそ40秒後です。

ヴォルカノフキーは、オーソドックスからサウスポーへのスイッチしながらステップインしました。この時同時に右フックも出しています。これに対して、マカチェフがバックステップを行い、パンチをガードをしますが……一つ目のシーンと異なりヴォルカノフスキーは次のパンチが届く位置にいます。そしてそのまま強烈な左ストレートを叩き込むことに成功しました。

サウスポー vs オーソドックスではお互いのパンチの届く距離が長くなります。階級が下のヴォルカノフスキーはこの試合、体格面での不利がありました。それを、スイッチしながらステップインすることで、一歩距離を詰めることによりディスアドバンテージを解消しました。この試合、ヴォルカノフスキーのこの動きが非常に有効でした。

※アイキャッチは本試合の動画より引用