マネル・ケイプの選手紹介 〜UFCファイター“アンゴラ番長”のすべて〜

マネル・ケイプと言えば、”暴走王” “アンゴラ番長” というニックネームから想像出来るように、アウトロー、暴れん坊なイメージがある。だが、現在のケイプは”暴走王” のイメージからはかけ離れた好青年で、むしろ”トリックスター” というイメージの方が強い。

かつては野性的、ラフなファイトで観るものを魅了していたが、今では巧みなフェイント、予想もつかないコンビネーションで、勝ち負けを抜きにしても観るものを楽しませ、UFCの解説者に「芸術的だ!」と言わしめるほどだ。

RIZINデビューから現在までに、人間としても、格闘家としてもケイプは見違えるほどに成長し、RIZINのバンタム級王者となり、現在はUFCで活躍し、その明るくユーモアに溢れるキャラクターも含め、彼の魅力に世界中の格闘ファンが気づき始めている。

荒々しく、狂暴なファイターだったケイプが、どのような経験を経て明るくユーモアのあるトリックスターへと変貌していったのか、今回は”アンゴラ番長” マネル・ケイプを丸裸にしていこう。


※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/31/3f357539d20ad6b43afc9e61b420609894629eb7_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

マネル・ケイプのプロフィール

名前 : マネル・ケイプ

生年月日 : 1993年11月14日

出身地 :  アンゴラ/ポルトガル(二重国籍)

身長 : 165cm

体重 : 56Kg

戦績 : 17勝6敗(11KO 5SUB)

階級 : バンタム級⇒フライ級

所属 : AKAタイランド

獲得タイトル : RIZINバンタム級王者

入場曲 :   Diplo「Welcome To The Party」

バックボーン : ボクシング ブラジリアン柔術

公式 HP :

Twitter : @Manelkape

Instagram : Manelkape

Youtube    ー

アパレル    ー

ファンクラブ  ー

今年29歳でUFCでも大活躍中、まさに全盛期のマネル・ケイプ。彼がどのようにして格闘技を始め、RIZINのリングに上がり、UFCへ進んでいったのか、ここからは彼の格闘人生を、少年時代まで遡って見ていこう。

マネル・ケイプの少年時代

1993年11月14日アンゴラで生まれたケイプは、幼少期に内戦の激しかった故郷を出てポルトガルに移り住む。ケイプが総合格闘技を始めたのは14歳の時で、それ以前にボクシングの試合を数試合している。

実はケイプの父は、アンゴラでは有名なボクシングのチャンピオンで、ケイプの打撃センスの高さは、父譲りなのだろう。

そしてケイプはなんと17歳という若さでプロデビュー。Cage fighters という団体で活躍し、4戦4勝と大活躍。

その後Knock Out Championshipに移籍したケイプは初めての敗戦を経験する。かなり精神的にこたえたようだが、その敗戦をバネにケイプは大躍進。

その後様々な団体で連戦し、無傷の5連勝!しかも全て一本もしくはKO勝ちという暴れっぷり。輝かしい戦績を引っ提げ、絶好調の中でケイプは日本の、RIZINのリングに降り立った。

ケイプの勢いを日本勢は止める事が出来るのか?

RIZIN参戦、リング内外で大暴れ

ケイプのRIZIN初戦の相手はあの山本美優の息子、山本アーセン。山本は公開計量でヘッドホンを耳にかけながらケイプを挑発し、若いケイプもムキになって掴みかかる場面もあり、ケイプの凶暴さが伺えた。

華々しい戦績を引っ提げてやってきたケイプがどれ程の実力なのか、多くの関係者の注目が集まったが、ゴングが鳴り1分後には、その実力を日本の格闘家、そして格闘ファンに知らしめる事となる。

試合が始まってしばらくステップを踏み距離を取り合っていた両者だが、ケイプが組みつき、山本はパンチを出してそれを押しのける。再びスタンディングで両者が向き合った瞬間、山本に見えない角度からのケイプの、強烈な左ハイが直撃! この一発で山本はコーナーに吹っ飛ばされ、ケイプの追撃をレフェリーが制止してTKOとなった。

画像1: 左ハイ一閃! マネル・ケイプがアーセンを秒殺!!
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2017/10/15/61b2dc32280f6b7c8ba130fea6640da7d407e0a5_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

初めてのKO負けを喫した山本は、「今までに無い悔しさです。今は言葉も見つからないっすね」と、苦しい胸の内を露わにした。

マネルは試合後インタビューで

「お互いを褒め称え合いました。それから「君と対戦できて幸せだ」と。「君はいいヤツだから、これからもその調子で頑張れよ」と。アーセン選手からは「ぜひ勝ち進んでこのトーナメントで優勝してほしい」と。で、優勝あるのみです。」 と語り、優勝へ向けての意気込みを見せた。

元UFCファイターとバチバチの決戦

RIZINバンタム級トーナメント準決勝では、UFCで活躍していた優勝候補の一角、イアン・マッコールと対戦。今回も公開計量からケイプが暴れる。互いに挑発をし、罵声を浴びせ合う中で、ケイプがマッコールの頭を右手ではたき、マッコールがそれにキレて左ジャブを顔面にヒット、ヒートアップしたケイプはさらにマッコールに襲いかかろうとし、高田延彦に制止され、一時会場は騒然となった。互いに遺恨を残し、決着はリングでつけようという事で、両者のボルテージは上がる。

2017年12月29日、既に戦闘態勢の両者はリングに上がるなり今にも殴りかかりそうだ。いつでも両者を制止出来るように、レフェリーの両脇に大柄のスタッフが付いている。

スタッフの助力もあり無事に試合がスタートしたが、マッコールの多量の出血により試合はケイプのTKOとなった。

この敗北に納得のいかないマッコールは試合翌日、「俺は固いリング・ロープで顔が切れたんだ。あの大口野郎の打撃でじゃない!」と気炎を吐いた。

ケイプの態度が気に入らない他の外国人選手もこれに便乗し、ネットはプチ炎上となった。

“暴走王” にきついお仕置き

あまりにも血の気が多く、”アンゴラの暴走王”と呼ばれ、その血の気の多さと暴走っぷりにはネット上で賛否両論。そんな中でRIZINバンタム級トーナメント優勝候補の筆頭、UFCで活躍し、最高ランク3位まで登り詰めた堀口恭司と、2017年の大晦日にRIZINバンタム級トーナメント決勝戦が行われた。

リング上で頭頂部を突き合わせ、ケイプが堀口を挑発する。早口でまくし立てられてもよくわからない堀口は、「はいはいはい、わかったわかった」と冷静に流す。

試合が始まると、堀口から積極的に手を出し、ラウンド前半でいきなり強烈な右フックをケイプの顔面にヒットさせ、グラつかせる。堀口は一気に畳みかけに行くが、ケイプも負けじと反撃。組みついてきた堀口の顔面に右の連打を浴びせる。一旦離れてからも両者一発一発に全力を込めたフルスイングの打撃戦を繰り広げ、緊張と興奮に包まれる会場。ラウンド後半、ケイプは一旦取られたガードポジションから上手く逃げるが、ハイキックに合わせてタックルで倒され、強烈なパウンドの餌食に。ケイプは何とか形成を変えたいともがき、激しいスクランブルの攻防の中で1Rは終了。

2Rも緊迫した攻防が繰り広げられる中、堀口の指がケイプの目に入るアクシデント。一旦試合はストップされるが、チェック中にもリング外に向かって中指を立てる悪童っぷりだ。

試合が再開されると堀口は、すぐに左ストレート、左ミドルからのワンツーと畳みかけ、攻勢を強める。

ラウンド中盤、ケイプのワンツーに合わせて、稲妻のような右フックを一閃。ケイプは何が起こったかわからずマットに尻をつく。堀口は猛烈な追い打ちをかけるがケイプは腕を振り回して応戦。なんとか組みついてその場を凌ぐ。ラウンド後半、ケイプの出した左ハイキックに、その足が上がるよりも早く堀口のカウンター右フックがヒット。ケイプは再びマットに転がるが、長い足をバタバタと動かしてなんとか追撃を凌いで2R終了。

最終ラウンド、ケイプの左ストレートに、堀口がまたしてもカウンターフックをヒットさせケイプは膝をつく。驚いたことに、ここで堀口は追撃にいかず、ケイプが立ち上がるのを待つ。立ち上がるケイプに堀口がフックを出しながら飛び込むとケイプも全力で応戦し、どつき合いに。

一旦距離を取り、攻撃の糸口を探すケイプだが、手を出すとカウンターで返り討ちに遭い、黙っていると強烈なフックが飛んでくる堀口に攻めあぐねている。不用意にケイプが出した左のパンチに合わせて、堀口が強烈なフックをケイプの顔面に叩きつけ、ケイプは背中からマットに倒れこむ。追撃にくる堀口だが、いなしが上手いケイプはここも何とか凌ぎ切る。

ラウンド中盤、踏み込んでパンチを出そうとした堀口の顎にケイプの頭部が直撃。堀口の脳は揺さぶられ一旦膝をつく。ケイプは構わずに追撃を試みるが、バッティングに気づいたレフェリーが一旦試合をストップ。このバッティングについて堀口は後日談で皮肉交じりに「これは効いた!」と語っている。

試合が再開されると、勝負に行かなければ後がないケイプは、堀口のカウンターもお構いなしに猛攻をしかけていく。打撃に集中して寝技への警戒が無くなったケイプに、堀口がタックルを決めてテイクダウン。ガードポジションから、ハーフガード、そしてマウントへと、詰め字将棋のようにケイプを追い詰め、ケイプの横面に右のパウンドを連打、連打、連打。

まるで「RIZINで暴れまわったお仕置きだ!」と言わんばかりだ。ケイプの心が折れかかった所に堀口は肩固めを決め、流石の暴走王もタップ。3R4:27 堀口の一本勝ちとなり、”史上最強のMADE IN JAPAN” 堀口恭司に”アンゴラの暴走王” がきつくお灸を据えられた形になった。

アウトサイダー王者、朝倉海との激戦

次戦では、今や格闘界で知らぬものは居ない、朝倉兄弟の弟・海を迎える。当時まだ朝倉はRIZIN2戦目だったが、アウトサイダー全勝、RIZIN初戦を圧倒的なKOで勝利していた事もあり、既に注目株となっていた。公開計量では、朝倉に対し何かを叫びながら噛みつかんばかりの、相変わらずの暴れん坊っぷり。もはやこれはケイプのお家芸という扱いで、会場は歓声に包まれた。

試合が行われたのは2018年5月6日。

1R、いつになくケイプが冷静に試合を運ぶ。隙の無い打撃、距離の取り方、打撃の回避、カウンターなど、明らかに技術の向上が見られる。

堀口のお仕置きがよっぽど効いたのか、これまでポテンシャルに依存していた感のあったケイプのファイトスタイルが、明らかに格闘家として洗練され始めているのを感じる。朝倉もカウンターのパンチやミドルキックで応戦するが、ケイプにダメージは見られない。

ラウンド中盤、ケイプの伸びのある左ストレートが朝倉の顔面をかすめ、朝倉はケイプに組みつく。首相撲の状態から右アッパーを皮切りにケイプの猛烈なラッシュ。

モーションは小さいが一発一発の重いパンチに朝倉は反撃できず、一瞬グラつく場面もあり会場がどよめく。さらにバスターで朝倉をテイクダウンし、一瞬マウントを取る場面も。明らかに組み、寝技の成長も見られる。

しかし、朝倉も勿論黙ってはいない。両手を広げて挑発するマネルに、強烈な左、右のフックをヒットさせケイプをグラつかせる。追い打ちに行く朝倉にケイプも全力で抵抗し、大激戦。スクランブルからケイプが立ち上がると、朝倉が組みついて、ケイプを振り回すように回転して投げ飛ばし、ロープ際に転がるケイプの顔面に、朝倉が強烈な膝を二発打ち付ける。

画像3: フルラウンドでのど突き合い! 勝利したのは……朝倉海!!
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2018/05/06/56f3fdb2a6935628a89f02a2e54dbe603f23db67_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

2R、序盤から朝倉のキレッキレの右ストレートがケイプの顔面を捉える。ケイプもお返しとばかりに踏み込む朝倉に合わせて左のジャブを返す。このパンチが朝倉の右上の瞼をカットしたのか、朝倉の瞼の上から血が流れだす。

さらに同じ場所をケイプが左フックで狙い撃ち、朝倉の出血は激しさを増し、顔面は真っ赤に染まる。朝倉の視界が悪くなっているのか、ケイプのパンチが次々に朝倉にヒットする。打撃では分が悪くなったと見たか、朝倉がタックルでテイクダウン、サイドポジションを取るがケイプも隙を見せず一進一退の攻防に。ラウンド終了間際、サイドに回ってケイプの顔面に膝を打ち付け、さらに立ち上がってサッカーボールキックをお見舞いしたところでゴング。

最終R、朝倉がケイプの足を取ったままロープ際まで追い込み、ケイプがロープを背にした所で強烈な右フック。その後も朝倉は距離をとりながら、単発ではあるが要所要所で有効打を当てていく。

一方ケイプは朝倉の右フックに合わせてカウンターからラッシュを仕掛け、一瞬バチバチの殴り合いになるが、両者の力が拮抗し、ここでは勝負がつかないとみて一旦離れる。

試合終了間近、朝倉の指がケイプの目に入り一旦試合はストップ。

残り30秒、ケイプは大声で「Heeeey!」と煽りながら、朝倉に打ち合いを挑み、両者互角に殴り合ったところで試合は終了。

試合は判定にもつれ込んだが、両者勝利を確信したようなパフォーマンスを見せる。実際判定はかなり拮抗したが、判定は1-2で朝倉の勝利。判定結果が告げられた瞬間、ケイプは「信じられない!」という表情を見せ、朝倉が紳士に健闘を称えようと近づいても取り合わずにリングを後にした。

画像6: フルラウンドでのど突き合い! 勝利したのは……朝倉海!!
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2018/05/06/b3780b08eb362337f2479b02ff2fbb61ee98354f_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

憤懣やるかたないケイプは、試合後インタビューで「RIZINには失望した」「あそこにいるジャッジ達はMMAという事を本当に知っているのか?」と痛烈にRIZINの体制を批判し、日本で再び試合をするかもわからないと、今後の試合についても後ろ向きなコメントを残した。

訪れる転機

実は朝倉戦の後、ケイプはポルトガルからタイへ移住。AKAタイランドというジムで練習を積むようになるのだが、この移住を機に驚異的な成長を見せる事になる。

朝倉戦の後、さんざん拗ねていたケイプだが、意外とすぐにRIZINのリングに戻って来た。

次にケイプがリングに上がったのは2018年9月30日。迎えるのはDEEPやVJTなどのリングで数多くの外国人選手を撃破し、満を持してRIZINのリングに乗り込んできた”浪速の爆弾小僧” 中村優作。

試合前の公開計量では相変わらずケイプが中村に額を擦り付けながら挑発するが、さすがは大阪出身の中村、この挑発には付き合わず、ふざけながら挑発をいなしていく姿にケイプも調子を狂わされる。

両者共にハードストライカーの対決とあってバチバチの殴り合いになる事が予想され、注目を集めた。

試合が始まると、互いの強力な打撃を警戒して、距離を取って戦う。

1Rは立ち技中心、2Rはグラウンドを中心に戦うが、実力は拮抗し最終ラウンドへ

最終ラウンド、相手の動きの封じ合い、土俵の奪い合いといった感じの戦いが続く中、ケイプの蹴りが中村の急所に入り、一旦試合はストップ。試合再開後、ケイプは何度もテイクダウンを取るが、中村は何度でも立ち上がる。だがテイクダウンの度に落とされるパウンドや膝で右瞼の上をカットし、中村の顔面が赤く染まっていく。

体力を削られ、弱って来た中村をケイプはテイクダウンし、ケイプの腕が中村の首に巻きつく。これが完全に決まり、中村はタップする間もなく失神。野性的な”暴走王” から進化を遂げた、新たなマネル・ケイプの戦いをRIZINと観衆に披露した。

画像5: 試合内容
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2018/09/30/ec7b836497146e7d999b970fa9d34e3d99b5befd_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

試合後インタビューでは「自分が勝つとは思っていました、正直な所勝利までの時間がかかり過ぎたのが反省点の一つです」と、一本勝ちでも自分に厳しい言葉を投げかけた。

実はケイプは試合前の練習で両足が骨折に近い形で試合に臨んでいたらしい。その状態でもこれだけのパフォーマンスをするのだから、ケイプの力は底知れない。

vs. 元UFCの寝技天狗

勢いに乗ったケイプは、大晦日の晴れ舞台でUFCから凱旋帰国して来た佐々木優流迦と対戦。

今回の計量でもケイプは佐々木を突き飛ばすが、もはや恒例となりつつあるこの儀式を、佐々木も半笑いで適当にあしらう。

試合の方は、終始佐々木のペースで進み、2Rでは、グラウンド状態で上からの肘とパウンドの嵐に苦しみ、ラウンド終了間際にはグラウンドでバックを取られ、横面に20発近いパウンドを連打され、あわやKOかという場面も。3Rに入ってもケイプにチャンスは訪れず試合終了。

誰が見ても佐々木が優勢だったこの試合、当然判定も0-3と、佐々木に軍配が上がった。

流石に完敗と言える試合内容で、試合後インタビューでは流石のケイプも「本当にとても頭のいい、賢い選手だと思いました。今日は彼の日でした」と素直に佐々木の強さを認めた。

亡き母への誓い

佐々木に完敗し、消沈するケイプに追い打ちをかけるように、ケイプの元に最愛の母の訃報が届く。

絶望の淵に立たされたケイプだったが、亡き母の前で「父の様な偉大なチャンピオンになる」と誓い、RIZINのリングに再び舞い戻る。

ケイプが次にRIZINのリングに現れたのは2019年4月21日RIZIN.15。

対するは”極めのプリンス” の異名をもつ伊藤盛一郎。RIZINデビューこそ竿本樹生に判定で敗れたが、まだまだ全盛期と言って間違いない。寝技の達人伊藤相手に、ケイプはどう戦うのか。

お約束の試合前計量では、ケイプもやや落ち着いてきたか、伊藤の胸の前に拳を出し、伊藤が理解できないだろう言葉を浴びせるだけの、軽めの挑発に留まった。

試合は”極めのプリンス” に極めのチャンスを一秒たりとも与えず、圧倒的なパワーとスピードで伊藤にダメージを与え続け、最後は左ボディブローを伊藤の腹にめり込ませ、戦闘不能に陥りマネルのTKO勝利。

画像1: ROUND 2
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/04/21/5834494d60cf7660ed075c397dee9a670a0b1243_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

母の死を乗り越え、練習にも更に熱が入ったせいか、明らかに打撃も寝技も、パワーも増している。ケイプはいよいよ本物の格闘家へと進化してきた。

次戦ではUFCのランキングで最高5位まで登り詰めた水垣偉弥を鮮やかにTKOで下し、試合後にはリング上で「オマエハモウシンデイル」「ナンダヨー」と日本語で絶叫。さらに「もう心の中が燃えちゃって火が止まらない感じ!大きなタイトルも取りたい!皆さん応援してください!」 とパフォーマンスして会場を沸かせた。

持って生まれた高いポテンシャルに、さらに磨かれた技とパワー、そしてクレバーに試合を運ぶ冷静さも加わり、いよいよケイプは群雄割拠のRIZINバンダム級トップファイターと言われるまでに登り詰めた。もうそこには”暴走王” の姿は無い。”アンゴラ番長” として国を背負い戦う、一人の戦士として、マネル・ケイプは生まれ変わったのだ。

因縁の相手とのRIZIN頂上決定戦

まさに全盛期突入と言えるこの時期に、ケイプに大きなチャンスが訪れる。そう、あの朝倉海との再戦である。悔しくて悔しくて、RIZINの体制批判まで口にしたあの日。その悔しさと遺恨を、ついに晴らす時がやって来たのだ。しかもこの試合は2019年大晦日、RIZINバンタム級のタイトルマッチ。

舞台、人、タイミング、全てが揃ったこの試合。

これまでの弛まぬ努力が実を結ぶのは、この日以外にあるのだろうか?

しかし対する朝倉は試合前会見で「堀口選手と戦うために準備して来てるんで、代わりの相手がお前かと。楽な仕事だなと」と完全にケイプを格下扱い。そんな余裕をかます朝倉に、オンラインで会見に参加していたケイプは「ナンダヨー、オマエヨー!」と日本語で不満をぶつけ、会場の笑いを誘った。

日本中の格闘ファンが注目する中、当時RIZIN無敗、快進撃を続ける朝倉と、急成長を遂げ、一気にトップファイターの仲間入りを果たしたケイプの、決戦の火ぶたが切って落とされた。

1R、距離を取りにらみ合う両者。ケイプが最初に動き、タックルを仕掛けていく。これはあっさりと朝倉に切られる。実はこの動き、タックルへの警戒を持たせる事でこの後の打撃を当てやすくするための作戦だったという。ケイプの口から「作戦」の二文字が出て来るだけでも、その著しい成長が伺える。その後朝倉の右ストレートに合わせて、ケイプが綺麗に左でカウンター。朝倉は予想していなかったか一瞬よろめく。

画像3: ROUND 1
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/31/df3b06ef8a870ea40541e6d1012bad7c14fa070f_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

その後も左ストレートのフェイントから左ハイキック、右ストレートと見せかけて左ミドルキックなど、クレバーでトリッキーな打撃を巧みに使い、朝倉が前回戦ったケイプとは、ほぼ別人になった事を思い知らされる。

あまりにトリッキーな動きにカウンターもなかなか出すことが出来ない朝倉。やりづらい流れの中、朝倉はケイプの猛烈なラッシュを掻い潜り、完璧なタイミングで右のフックをケイプの顔面に叩きつける。普通ならこれで倒れるはず・・・だったのだが、ケイプはビクともしない。

このケイプの異常なまでの打たれ強さも朝倉のメンタルを削る要因となる。

終盤、ケイプは飛び込みながらの右フックと見せかけて左膝を朝倉にヒットさせ、さらにワンツーと、これまでに見せた事無いコンビネーションでさらに朝倉にプレッシャーをかける。これだけ多彩な技を見せるケイプに、朝倉はなかなか手が出せずに1R終了。

インターバル中、兄・朝倉未来は、このままだとマズいと感じ、「寝技に持っていけ」と指示を出すがのだが・・・。

朝倉海は兄の指示を無視して、2Rのゴングが鳴ると同時にケイプとの距離を縮め、打ち合いに持っていく。1Rでの劣勢を取り返そうと焦り、冷静な判断が出来なくなっていたようだ。寧ろ冷静なのはケイプの方だった。

ラッシュを仕掛ける朝倉のパンチの隙間を縫い、小さなモーションだが確実に顎先を狙って右ストレートを放ち、脳を揺さぶられた朝倉はマットに崩れ落ちる。

ケイプは今こそ勝機と、朝倉に容赦ない追撃をしかける。速く、重い無数のパウンドが朝倉を襲い、あまりの圧力と勢いに手も足もでず、勝負ありと見てレフェリーがストップ。

画像3: ROUND 2
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/31/2589e2ac7166ea68bc44e3a2e5106b2f4bbed92f_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

かつて”お騒がせ番長” “暴走王” と呼ばれていたケイプが、幾多の試練を越えて成長し、ついに亡き母に捧げる、悲願のRIZINバンタム級タイトルを手にした。

試合後、リング上でマイクを手に取ると「ミナサン、ナンダヨーオマエ―!」と、自身の迷言で会場を笑わせ

「なんて幸せなんだろう。絶対にベルトを獲れると思っていました。俺は世界王者だ。皆さんの応援があったから勝つことが出来ました。日本が大好きです。もう心は日本人です。アリガトウゴザイマシタ! 」と日本のファンに感謝を伝え、会場全体が祝福の空気に包まれた。

画像5: ROUND 2
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/12/31/775a6b43e54907666fa1d1036784c2fd17006747_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)

UFCへの挑戦

RIZINの王者となったケイプは、更なる高みを目指す。世界の総合格闘技の頂点、UFCへの挑戦だ。

ケイプの世界への挑戦を、榊原CEOは快く送り出した。

2020年3月にUFCと契約し、年内のデビューを目指していたが、8月15日に予定されていたRogerio Bontorinとの試合はBontorinの足首の負傷でキャンセルされ、12月19日に予定されたアレッシャンドリ・パントージャとの試合は、明確な理由も無いままにキャンセルされた。

ケイプがようやくオクタゴンの中にようやく立てたのは2021年2月6日。

相手は前回謎の試合辞退をしたパントージャだ。

試合前の会見では、「俺は100%彼より優れている」「俺はかならずUFCのチャンピオンになる。明日の試合で俺の言った意味がわかるだろう」と、RIZINの時代から変わらぬ強気の姿勢を見せ、格闘技ファンの期待を誘った。

しかしいざ試合が始まると、初めて対峙するUFC選手の圧力に圧倒されたのか、ケイプの動きにRIZINの時の様なアグレッシブさが見えない。パントージャのローやパンチを交わし、ダメージこそ受けていないが印象は悪い。ラウンド終了間際にグラウンドから立ち上がり際にパントージャからの膝を喰らったところで1R終了のゴングが鳴る。

この調子でケイプは最後まで防戦一方で試合を終える。両者大きなダメージこそ無いが、明らかに積極性にかけたケイプが0-3で敗北。パントージャがケイプに歩み寄り、労いの声をかけようとするが、ケイプは「Nah, Nah」と取り合わず、この態度に「What a fucking douchebag(なんて嫌な奴だ)」とケイプへの不快感を表す現地格闘技ファンもいた。

また、パントージャは後日、「マネルと戦っている間、ずっとデイブソン・フィゲイレード(UFCフライ級王者)のことを考えていた」と言い、ケイプの事は眼中になかったと言う屈辱的な発言をしている。

負ければ即契約解除という事もあり得るUFCだが、ケイプは幸運にもすぐに挽回のチャンスを掴んだ。

2021年3月13日にマテウス・ニコラスと対戦予定の選手が、これまた明確な理由もなく試合を辞退し、代役としてケイプが選ばれたのだ。

せっかく与えられた大きなチャンス、ここは絶対に負けられない試合だ。

しかし、この試合でもなかなかケイプらしさが出せず、1R中盤まで試合は殆ど手が出ない。中盤でニコラスがバスターでケイプをテイクダウン、首を取られそうになるが、立ち上がりつつニコラスの腕から首を引っこ抜く。ここで何かが吹っ切れたか、徐々にケイプが前に出る。

2Rに入るとグイグイと距離を詰め、RIZINで見せたような左右のフックの連打でニコラスにプレッシャーをかける。ニコラスをケージの端に追い詰め、ワンツーを見せてニコラスのガード上に上がったところで、ガラ空きのボディに強烈な左ボディブローを入れる。更に様々な技でニコラスを圧倒し始めるケイプに対し、「全てが変わった。今の彼はファンタスティックだ」「マネルの拳はまるで稲妻の様だ」とリング解説も絶賛。終始ケイプがニコラスを追いまわす展開となった。

最終R、ニコラスも気合を入れ直し、ケイプと互角に打ち合う。ケイプはニコラスのローを受け、一旦よろめく素振りを見せるが、負けじとニコラスに数発の飛び膝を喰らわせ応戦する。

最後まで拮抗した打ち合いが続き勝負は判定へと持ち越された。

ジャッジの最中、勝利を確信したケイプは左腕を高く挙げていたが、判定はまさかのスプリットでケイプの敗北。ケイプはあの朝倉海戦を彷彿とさせる、「信じられない!?」といった表情とポーズを見せた。

試合後ニコラスは「この場にいられてよかった。もっとできる事はあったし、僕にとってはドローだった。引き分けに近い試合だった。ただ、私は審判ではない。最後まで戦うためにここにいるんだ」と潔いコメントを残した。

実際にこの判定には、多くの関係者、格闘ファンが疑問を抱いた。

UFCバンタム級王者、アルジャメイン・スターリングもケイプを支持。

また他の格闘家や、Youtuberなども、ケイプの支持を動画やコメント等で表明した。

大躍進

デビュー2連敗。入れ替わりの激しいUFCならばリリースされてもおかしくない戦績だが、ニコラス戦でオーディエンスの支持を得たケイプに、三度チャンスが与えられる。

試合は2021年8月7日、迎えるはオデー・オズボーン。11勝中5KO4一本と、ケイプと同様、非常にアグレッシブなファイターだ。

一方ケイプは前回の敗戦から、元UFCライト級王者、ハビブ・ヌルマゴメドフと共に練習し、パンチの技術とレスリング技術が飛躍的に向上している。

試合前にYoutuberとオンライン対談し、オズボーンの攻撃力の高さについて意見を求められたケイプは「確かに彼の左はリスペクトに値する、だがこれまで誰も俺をノックアウトする事は出来なかった」とオズボーンのハードパンチも自分には通用しないと豪語し、さらに1Rで様子を見て2Rでオズボーンを仕留めると言い切った。

試合前計量でケイプが3ポンド(約1.3キロ)体重超過している事が発覚、ファイトマネーの20%をケイプがオズボーンに払うという事で合意し、試合は開催された。

1Rのゴングが鳴る。RIZINで戦っていた時の様なトリッキーな動きと、軽快なステップでオズボーンを翻弄するケイプ。相手の打撃を誘いながら、巧みにカウンターパンチを当てていく。ラウンド終盤、ケイプがオーソドックスにスイッチ、その刹那、まるで稲妻のような膝が瞬く間にオズボーンの顔面を捉える! あまりに一瞬の出来事に、オズボーンには何が起こったかも分からないレベルだろう。仰向けにマットに倒れるオズボーンをケイプは猛追撃、電光石火の無数の拳を呼吸する間も与えずに叩きつける。ここでストップがかかり、ケイプはUFCでの初勝利を、自身の予想を上回る1R、衝撃のKOで飾った。

このKO劇は各メディアに取り上げられ、ケイプへの注目度も高まり、次戦が期待された。

2021年12月4日、ケイプは、恐らくこれまでのUFCキャリアで最強の敵、カザフスタン出身、元フライ級UFC王者のジャルガス・ジュマグロフと対戦する。

しかし、前試合、ケイプの電光石火の膝を目の当たりにした多くのファンや専門家は、ケイプの勝利を予想し、オッズも一方的にケイプに傾いた。

試合は1Rからジュマグロフが強烈な右フックをケイプの顎にヒットさせ、ケイプが一瞬グラつく。これまでKOされた経験の無いケイプがこんな姿を見せるとは・・ジュマグロフのパンチの破壊力が伺い知れる。ケイプもジュマグロフのローに右フックを合わせ応戦。互いの強力な一発に警戒し、一旦距離を取って単発に手を出し合うが、徐々に距離は詰まり、ラウンド終盤に向けて戦いはヒートアップ。ジュマグロフがその剛腕を振り回して前に出るが、ケイプは冷静に拳筋を読んでカウンターを当てていく。

ケイプは更にローでジュマグロフの機動力を奪いに行く。ローが効いてきたか、足が止まってきたジュマグロフの左ストレートにケイプが鋭い右ストレートを合わせると、ジュマグロフは足から崩れるようにマットに倒れる。ケイプは追撃に行かない。

スタンディングでのフィニッシュを狙うのだろうか。ジュマグロフをケージの端に追い詰めると、一発一発、丁寧に相手の動きを見てパンチを入れていく。ジュマグロフも苦し紛れにアッパーを放つが、きっちりと見切られ、再びパンチの雨がジュマグロフに降り注ぐ。ジュマグロフが防戦一方になるとケイプはエンジン全開!あまりの圧力にジュマグロフはガードを固めたままマットにうずくまり、ここでレフェリーストップ。

UFC元チャンピオンを圧倒的な破壊力で打ち砕きTKO勝利となった。

試合後のインタビューでケイプは「俺はチャンピオンになるためにここにいるし、神が許せば2022年にはチャンピオンになるつもりだ。俺は世界最高のフライ級選手だ!」と近い将来フライ級のチャンピオンに君臨する事を宣言した!

一方ジュマグロフは試合後にYoutubeで、自身に二人の妻と6人がいる事を明らかにし、この敗北を乗り越えなければいけないと語った(笑)

2戦連続1Rでの劇的KO勝利で、ケイプの知名度は一気に上昇! ケイプこそ未来のUFCフライ級王者だと断言するブロガーや関係者も増え始めた。

しかし、2022年4月19日。いよいよこれからという時、次戦のSu Mudaerjiとの対戦前の検査で薬物が検出され、検出量が少なかった為にペナルティとはならなかったものの、試合は中止となってしまう。

次戦の予定は未だ決まっていないが、この全盛期と言える今のうちに、是非ケイプにはいち早くUFCに復帰してもらいたいものだ。ケイプがUFCで活躍する事は、RIZINの強さを証明する事にもなる。今年UFCの王者となったイリー・プロハースカに続いてケイプも王者になる事があれば、RIZINへの注目度は一気に上がる事だろう。RIZINを背負って世界と戦う、マネル・ケイプからはまだまだ目が離せない。

マネル・ケイプの知りたいトコ!

マネル・ケイプは実はめっちゃ優しい!?

傍若無人、破天荒、暴走王、そんなイメージが付きまとうケイプだが、実は傷ついている人を見ると放っておけない優しい一面を持っている。

2018年大晦日、佐々木優流迦に完敗し、意気消沈していたケイプだったが、同日に浜崎末加に敗北し落ち込む朝倉カンナや、メイウェザーにTKO負けし、泣きじゃくる天心に歩み寄り、慰める姿がカメラに映し出されている。人一倍感情的な男だけに、人情も人一倍熱いのかもしれない。

マネル・ケイプは結婚していた!?

ケイプのSNSや海外記事を探してみても、彼女について言及しているものは殆ど無い。

しかしツイッターに子どもの写真をアップし、UFC関連のインタビューでもその事について言及している。

参考記事:「Manel Kape on Being a New Father, Difference Between Fighting in UFC and Rizin」(英語記事、外部サイト)

どうも今年(2022年)の1月頃に第一子が誕生したようで、現在7ヵ月の可愛らしい女の子だ。今は格闘技のこの子にしか関心が無いらしく、練習以外ではいつも一緒に遊び、一緒に寝ているそうだ。去年からの快進撃を支えてきたのは、この子の存在に違いない。

https://twitter.com/ManelKape/status/1563098019578257410

マネル・ケイプは朝倉海と大の仲良し?

朝倉海といえば、昇侍と世代を超えた親友であることは一部ファンの間で有名だが、同い年のケイプも朝倉が大好きなようだ。今年4月に朝倉がラスベガスに練習の為に向かった際は、試合1週間前にも関わらず、空港まで海を迎えに行き、一緒にジャグジーに入ったり、食事をしたり、微笑ましい様子が両者のSNSや朝倉海のYoutubeチャンネルにアップされている。

まとめ

ここまで”アンゴラ番長” マネル・ケイプのストーリーを見てきたが如何だっただろうか?

アンゴラで生まれ、様々な海外のリングを経験してRIZINのリングに降臨。破天荒で狂暴なキャラクターが話題を呼んだが、ポテンシャル頼みの粗削りな技で多くの悔しい敗戦を経験。

しかしAKAタイランドへ拠点を変更し、技術を身に着け、母の死を乗り越え、暴走王から真の”アンゴラ番長” へと進化を遂げ、RIZINバンタム級を制覇し、世界の頂点、UFCの舞台へ旅立って行った。

その予測不能なファイトスタイル、勝つか負けるか、常に勝負に出ていくスピリット、陽気で情に熱いキャラクターは、日本では勿論、世界でも愛され、ファンを増やし続けていく事だろう。

そしていつかケイプがUFCの頂点に立ち、”アンゴラ番長”から”世界の番長” になる日を、RIZINの力を世界に知らしめてくれる日を夢見て、これからも皆さんと一緒にマネル・ケイプを応援していきたい。

画像2: 入場
※画像URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782696/rc/2019/04/21/e801196a7fe00818f8d9d8f5ba4e859d953e8ae8_xlarge.jpg(RIZIN公式HPより引用)
※アイキャッチはRIZINの公式HPより引用